- 海外留学
- 2022.3.11
中学生の海外留学準備!メリット・デメリットや留学の方法などについて解説
近年では早期から国際教育や英語力向上のために、留学を視野に入れているご家庭が増えています。国際化社会が進む中、私立や公立の学校と交換留学プログラムに力を入れている学校も全国的に増加傾向にあります。留学先としてはアメリカやイギリス以外にもヨーロッパ諸国、カナダ、オーストラリアやニュージーランドなど英語圏の国々が人気です。
資料:日本人学生留学状況調査結果から作成
学生から留学することで英語を含む語学学習に集中できるほか、自立心を養えたり、将来の進路選択の幅が広まるというのもメリットの一つです。また、海外への興味を持つことになるきっかけにも繋がります。
ここでは留学の種類やデメリット・メリット、必要な準備などについてご紹介していきます。少しでも海外留学の不安解消につながり、留学が将来の選択肢を広めていけるツールの1つになれたら幸いです。
留学準備のまとめ
- 情報収集をする(予算を踏まえ費用が安い国、高い国を調査しておく)
- 私費留学か交換留学のどちらかを決める
- 留学先の学校や候補を決める
- 長期か短期留学を決める
- ビザ・単位認定の確認奨学金を調べる
- 英語学習のスケジュールを立てる
中学生の留学は「交換留学」と「私費留学」の二種類
交換留学 ・学校や外部のプログラム(民間エージェントなど)に参加 ・国際交流をメインとした留学 ・日本の学校に在学しながら留学できる | 私費留学 ・自由に学校や留学期間・目標を決められる ・現地の短期留学体験から海外進学を視野に入れた幅広い |
交換留学
海外の現地生活・学校体験や国際交流を目的とした、学校や民間留学エージェント等を利用したプログラムに参加する形が多いです。参加するには予め書類審査や英語力など必要な試験に受かる必要があります。期間や留学先は自由に決めることができず、期間は1週間から1年間のところが多く、気軽に参加できます。留学先の手続きや必要なサポートも充実しているので安心です。交換留学プログラムによっては滞在費や授業料など費用を抑えられます
私費留学
個人の希望や留学の目的に合わせた地域、時期、学校、ホームステイ先などを選択でき、交換留学よりも幅広い選択肢があります。現地での生活体験から海外での卒業・進学を視野に入れた留学まで、幅広く個人のやりたいことに添えるのが特徴です。民間の留学エージェント等を使わない留学も可能です。
どちらを選択するかお困りの場合はご本人のご希望や目的を明確にし、それに沿った留学プランを考えることをお勧めします。中学校は義務教育ですので、留学が成績や単位にも関わってきます。義務教育の教育課程の一環として認められるのかどうかも重要です。在学中・留学希望の学校双方と相談することも大切になってきます。
留学の種類
サマースクール(夏休みや冬休みなどの長期休暇中)
海外の語学学校やボーディングスクールが日本の夏休み中(6月〜8月)に実施しています。英語などの語学を学べる他にも、現地で観光やキャンプ、スポーツや芸術分野のアクティビティに参加できます。またアカデミックなサマースクールもあり英語力や学力などの条件つきの参加となりますが、本格的な理数科目や社会・歴史などの授業を受けることができます。寮で同年代の人たちと共同生活を送りながら学業やスポーツ等に参加するプログラムが多いです。海外の名門ボーディング中学・高校も多種多様なサマースクールを実施しています。特に年齢制限がないプログラムも多数あるので、目標や目的に合わせた留学をすることができます。
現地校体験
世界各国の現地校へ体験入学をでき、実際に現地の学校に通いながら学業や放課後の課外活動などに励むことができます。英語初心者向けには英語の補修授業(ESLコース)がある学校もありますが、受け入れ校により求められている英語力が異なる可能性があります。プログラム参加中はホームステイを経験でき、将来的に正規留学を考えている方にとっては良い機会です。
ホームステイ
現地のご家庭に留学期間中は滞在し、一家と共に生活を送ることができます。実際の生活を送ることでより深く現地の文化を学ぶことができ、語学力向上にもつながります。エージェントや交換留学提携プログラム等にてホームステイ先が決まっていることが多いです。ホームステイ先のご家族の門限やルールを守り、良好な関係構築のためにコミュニケーションを積極的に取るのをお勧めします。
語学留学
語学の習得を目的とした海外にある語学学校等への留学のことを示します。主に数週間から一年間のプランが多く、お好きな時期に集中的に語学を学ぶことができます。日本を含め世界中の同年代の生徒と一緒に勉強できるプログラムが多く実施されています。現地では寮生活やホームステイなどの経験を通して語学力以外の自立性なども養うことができます。また、さまざまなアクティビティを通して言語を楽しく学べるのも魅力です。夏休みや冬休みなど学校のお休みを利用した海外留学にオススメです。
ボーディングスクール(主に長期留学生向け)
全寮制の宿舎学校として、学校低学年から高校卒業時まで学ぶことができます。多くはトップ高校や大学への進学をメインとした進学校であり、24時間体制で友達や学校の先生等との共同生活を送ります。一般的に授業料が高い傾向にありますが、その分高い教養、芸術やスポーツなども並列して取り組むことができます。健康や生活面でのサポートも充実しております。少人数制の学校が多いため、一人一人の可能性を最大限に引き出す教育を受けることができます。また、自立心を高めるだけではなく、社会でのマナーや生活態度も身につけられます。
実際に中学3年生から高校卒業まで米国・カリフォルニア州のボーディングスクールに通っていた方の事例を紹介します。全学年共通の自習時間が平日と日曜の夜に2時間半行われていたり、1クラス10〜15人程度の少人数授業により学力が飛躍的に向上したそうです。勉強以外にも音楽や芸術に力を入れている学校で、毎年何人かはアメリカの名門芸術学校に進学していました。また、スクールカウンセラーやスクールナースも常駐しており、メンタルサポートも含め必要な時は近くの医療機関への送迎も学校側が行っていたとのこと。また、門限もあり平日は夕食時のチェックイン、週末は就寝時間前のチェックインが全生徒に義務付けられており消灯時間になると先生が各部屋一つ一つを見回りに来ていました。生徒の現在地を確認するためのアプリも各寮で導入されていて他の寮や外出時には自分の名前を選択し位置変更しなければいけませんでした。
上記の事例からもボーディングスクールでは自立的な学習や生活態度が身に付けられる環境が整っていることが分かります。
短期留学(1年間未満)と長期留学(1年間以上)のメリット・デメリット
短期留学と長期留学、それぞれのメリットとデメリットについて取り上げて行きます。
短期留学 | 長期留学 |
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メリット ・費用を抑えることができる ・気軽に留学できる ・長期留学の準備に最適渡航期間を自由に選べる ・必要な手続き等が楽 デメリット ・体験できることが限られる語学力アップに限界がある慣れた頃の帰国になる日本人同士で固まりがち物足りなさを感じる | メリット ・語学力が向上しやすい ・学べるコースの幅が広い ・学業にも専念できる ・海外での生活も体験できる ・自信がつく デメリット ・費用がかかる ・慣れない環境で体調を崩す ・可能性日本語力の低下 ・進学や帰国後の準備が大変 ・留学の目的を見失う |
それぞれのメリット・デメリットを取り上げてみました。
短期留学ですと費用を抑え気軽に留学できる、長期留学は選べるコースの幅が広く学業にも専念できるなど、どちらの選択肢もメリットとデメリットがあります。どちらの留学にしようかと迷われている方は留学する理由と目的をより深く追求することで良い留学生活を送れることを願っております。
留学の準備
- 情報収集をする(予算から費用が安い国、高い国を調査しておく)
- 私費留学か交換留学のどちらかを決める
- 留学先の学校や候補を決める
- 長期か短期留学を決める
- ビザ・単位認定の確認
- 奨学金を調べる
- 英語学習のスケジュールを立てる
情報収集(予算を踏まえ費用が安い国、高い国を調査しておく)
どこの国に、何のために留学するか改めて目標や理由について深く掘り下げるのも後悔のない留学生活を送るために必要となってきます。現在はネット上で数々の体験談や口コミを見ることができます。留学先の地域や学校の口コミを日本語・英語等で調べたり、ブログの他にもYouTubeで留学生の体験談を含めた紹介動画も見ることでリアルな声を聞けます。また、留学エージェントや留学支援団体等のサイトを比べて各国、各地域の魅力や欠点も客観視することができます。留学先の生活環境や治安、医療面、その他の不安点などを解消するためにも情報収集は大切になってきます。
一つの情報源を鵜呑みにせず、出来るだけ多くの情報を集めることが必要不可欠です。また、大手の留学支援団体や文部科学相の「トビタテ!留学JAPAN」のサイトにも各国の留学情報について載っているので、迷っている方はそちらも参考にすることをお勧めします。
小学6年生の頃に初めて留学を始めた方の話を聞くと、留学先を決めた方法としては費用(安い、高いなど)、将来の進路の選択肢、治安、医療面、必要な言語レベルや日本からの移動時間などを保護者と必死に考えたそうです。その結果、英語力が活かせ大学進学に有利であるアメリカで日本から近い西海岸やハワイ州、そして治安がいい現地の学校へと転校しました。小学校を2校転々としたのち、中学受験や大学受験で別の州の学校へと進学しましたが、同じような基準を元に進学先を選びました。ヨーロッパ圏への留学も考えていましたが、日本からの乗り継ぎや移動時間、風邪をひきやすいので寒い地域は合わない、留学先の第三言語による授業、などの理由により断念したという事例もあります。
私費留学か交換留学のどちらかを決める
私費留学と交換留学はどちらの選択肢にもメリット・デメリットがあります。在学している学校の海外提携校や単位認定が認められているかも学校側に確認しましょう。また、留学先の学校によっては学校の成績、課外活動、推薦状など特定の選抜基準や必要書類があるので、条件を満たしているか要チェックする必要があります。基準を満たしていなくても、どうしたら留学できるか学校の担任や校長先生に直接相談するのも一つの手です。
留学先の学校や候補を決める
留学する目的や理由を元に具体的に留学先の学校を数校ほど、国や地域別に候補を決めていきます。各学校のホームページに学校の教育方針、英語の補修授業、外国語授業や課外活動についての記載がありますのでそちらを参考にしてみるといいでしょう。
長期か短期留学を決める
長期か短期留学か決める必要があります。どちらの方が優れているのかではなく、あくまで留学される目的に合わせた留学をすることをお勧めします。日本国外での進学を視野に入れてくると留学する時期も大切になってきます。
ビザ・単位認定の確認
留学の期間に関わらず、必要書類の一つとしてビザ(査証)の要否と旅券残存有効期間の確認が必要となります。1週間から数ヶ月の短期留学の場合は基本的に学生ビザは必要ない国もありますが、必ず再度ご確認ください。パスポートの発行や有効期限の日数も入国時のトラブルを避けるために早めに準備しましょう。
ビザの申請や詳細につきましては、渡航先国の大使館や領事館にて最新情報がわかります。また、一般的な入国時の審査などは外務省安全ホームページでも確認できます。
ビザ申請方法・情報:https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/
駐日外国交換リスト:https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/index.html
ビザ免除国・地域(短期滞在):https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html#list
外務省の海外留学者向けサイト:https://www.anzen.mofa.go.jp/study/
中学校では、留学は義務教育を就学した事にはならない
インターナショナルスクール(留学も含む)に通う子供の保護者から文科省に下記の内容について質問がありました。
Q:留学の期間 学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合、保護者は就学義務を履行したことになるのでしょうか。 |
A:※こちらで一部抜粋して要約しています。 いわゆるインターナショナルスクールについては、学校教育法第1条に規定する学校(以下「一条校」といいます。)として認められたものがありますが、多くは学校教育法第134条に規定する各種学校として認められているか、又は無認可のものも少なからず存在しているようです。学校教育法第17条第1項、第2項には、学齢児童生徒の保護者にかかる就学義務について規定されています。保護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスクールに就学させたとしても、法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません。 例えば一条校でないインターナショナルスクールの小学部を終えた者が中学校から一条校への入学を希望してきても認められないこととなります。インターナショナルスクールの中学部の途中で我が国の中学校へ編入学を希望する場合も同様です。 なお、市町村教育委員会におかれては、憲法に定める教育を受ける権利を保障し、その権利を実現するために義務教育制度が設けられていることに鑑み、経済的な事情、居住地の変更等のやむを得ない事情により学齢児童生徒が実際的に未就学となるような状況が生じないようご留意ください。 |
とあります。つまり中学生もしくは小学生から海外留学をすることは可能ですが、原則義務教育を就学した事にならないということです。
ただ現実としては、在籍の学校に籍を置きながら長期欠席という形で対応している事例がほとんどのようです。
奨学金を調べる
残念ながら高校生や大学生向けの奨学金が多く、中学生向けの奨学金は決して多くありません。ですが、都道府県や市町村、在学中の中学校によっては中学生でも応募できる奨学金があるので、ぜひお調べください。
AFSの全国・地域別奨学金リスト:https://www.afs.or.jp/goabroad/year-programs/scholarship/
英語学習のスケジュールを立てる
現地に留学すると、英語で授業を受けたりする必要があるので、出発日から逆算して英語や現地の言語を学ぶスケジュールを立てることで、少しでも渡航後の負担軽減と不安解消になります。ある程度の語学力を上げておいた方が現地での生活が楽になりますし、より留学による語学力向上が期待できます。
英語で学ぶ場合が多いので、中学校で習う英語とはずいぶん違います。わからない単語があったら「どう調べてどのノートにまとめるか」など教科ごとの専門用語の調べ方を含め、英英辞書の使用に慣れたり、留学中の無理のない学習スケジュールを予め作って置くのもいいと思います。
日本国内では年々、国際教育の波が押し寄せてきています。また海外の教育機関がどんどん日本に進出してきているため、今後は日本の教育のあり方に関しても見直しが進んでいくことでしょう。高校生が主にメインだった海外留学は、今では小学生や中学生から考えられているご家庭も増えているようです。
留学にはインターナショナル教育を受け視野がグローバルに広がる、これからの時代に必要な思考力がつくというメリットもありますが、日本の法律上追いついていない部分も多く存在していることも事実です。だからこそ、留学した後のことも視野にいれながら準備を進めていくことがより一層求められるようになります。
海外留学前にはCEFRコースやインターナショナルコースがおすすめ
留学前には日常的な英語力を鍛えるCEFRコースやアカデミックな英語で学ぶ力をつけるインターナショナルコースがおすすめです。「海外留学したい!」との思いはみなさんお持ちですが、急に現地に行ったからと言って学べるわけではありません。私たちが日本国内の大学で学ぶことができるのは何故か。
それは小学生・中学生・高校生と日本語【で】科目を学ぶ経験を積んできているからです。故に日本語で高等な学びができるわけです。海外の場合は英語【で】高等な学びを行います。しかし、私たちは普段から日本語で生活をしてアカデミックな日本語で学ぶ経験を積んできていますが、アカデミックな英語【で】学ぶ経験は、ほとんどしていません。日本人が海外留学をするうえで一番のウィークポイントはこの経験の少なさです。
だからこそ、しっかりと留学前の準備をしていくことが求められます。NisaiではCEFRコースやインターナショナルコースが充実しています。無料で体験も実施しておりますのでお気軽にお問い合わせください。