CEFRとは
CEFR(セファー)という言葉を耳にされたことはありますか。日本では「セファール」とも言われています。言葉を聞いたことがあっても詳しいことを分からない方もいると思います。「あなたはCEFRレベルの(B2)や(C1)です」と言われても、それがどのレベルをさしているのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで「CEFRレベル」や「各英語検定試験との比較」「CEFRの歴史」など下記にまとめてみました。
CEFRといえば日本では英語を思い浮かべますが、正しくは言語の習得状況を評価するために考案された「ものさし」のことです。
CEFRは”Common European Framework of Reference for Languages”の略で、「ヨーロッパ言語共通参照枠」の意味します。名称にもあるように、このものさしはヨーロッパで作られました。
ヨーロッパ全体の安定と発展を目指し、1993年にEU(欧州連合)が発足しました。EUは各国の権限を認めつつも、経済政策、外交政策、そして司法協力を3つの柱として加盟国間で可能な限り協調することで調和ある発展を実現しようとしています。そのためには、域内の「ヒト・モノ・カネ」の動きを流動的にする必要がありました。
特に「ヒト」に関してはコミュニケーションが重要になります。また、異なる国で学んだり働いたりするためには、その国の言語で日常生活を送ることのできる語学力が求められます。EU域内の相互理解や相互交流を図る上で、母語とは異なる言語の能力を必要なレベルで身につけていることが広く各国の国民に求められました。
EUでは全ての言語を同じレベルまで習得することは求められてはいません。必要に応じて(例えば、英語は業務レベルの文章を読める程度、フランス語は日常会話ができる程度までといった具合で)習得すれば良いとされています。このときに、「どの程度まで習得したか」を判断する参考として考案されたのがCEFRです。CEFRは英語だけでなくその他の言語レベルを示すことにも使用されています。
CEFRは学習者がどのレベルまで外国語を習得しているかを判定する際の国際的なガイドラインとして、広く用いられています。ヨーロッパ発祥のCEFRが今や世界中で活用されるようになった理由は、これまでの評価基準の考え方とは大きく異なる次のような特徴や長所があるからです。
CEFRでは、習得レベルを「A:基礎段階」「B:自立段階」「C:熟達段階」に分けています。それぞれをさらに2段階に分類して6段階に分けています。
A1 | 学習を始めたばかりの者・初学者 |
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A2 | 学習を継続中の者・初級者 |
B1 | 習得しつつある者・中級者 |
B2 | 実務に対応できる者・準上級者 |
C1 | 優れた言語運用能力を有する者・上級者 |
C2 | 母語話者と遜色のない熟練者 |
また、各レベルを判定する基準は以下のようにまとめられています。
熟達した 言語使用者 |
C2 | 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。 |
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C1 | いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。 | |
自立した 言語使用者 |
B2 | 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。 |
B1 | 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 | |
基礎段階の 言語使用者 |
A2 | ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。 |
A1 | 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。 |
(出典)ブリティッシュ・・カウンシル、ケンブリッジ大学英語検定機構
世界では様々な英語の検定試験が実施されています。それぞれの試験は特定の目的のために作成されたもので、例えば世界で最も一般的な検定試験がTOEFLです。TOEFLは、”Test of English as a Foreign Language”の略で、移民の多い米国で移民後の生活や教育が可能かどうかを判断するために英語コミュニケーション能力を測るテストとして始まった試験です。米国のEducational Testing Service(ETS)という団体が実施しています。
また、日本で広く普及している試験としてTOEICがあります。これは主にビジネスの方向けの英語力を測定するために始まった試験となっています。
その他の検定試験もそれぞれ独自の目的に沿って作成されたものであるため、英語検定試験といっても、試験ごとにで測ろうとしている英語力の中身や評価方法には少しずつ違いがあります。
本来は試験方法も問題も評価方法も違う試験を比較するのは簡単ではありませんが、それを容易にするのが「CEFR基準による比較」です。
(出典)https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdfs
上の図は、文科省がまとめた各資格・英語検定試験とCEFRとの対照表です。(2020年度から始まる予定だった大学入学共通テストにおいて活用対象となった検定試験のみ掲載されています)この表により、特定の検定試験でどのくらいのスコアを取ればCEFRのどのレベルに該当するのかがわかります。また、そのスコアは他の検定試験ではどれくらいのスコアに相当するのかも簡単に判断できるようになっています。しかしながら、CEFRの段階分けは大まかな区分となっているので、それぞれに該当するスコアの幅はかなり大きなものになっています。
CEFRコース 目的:グローバル基準の英語力を身に付ける
A1 英検5級-3級 |
A2 英検準2級 |
B1 英検2級 |
B2 英検準1級 |
C1 英検1級 |
C2 IELTS8.5 |
※TOEIC L&R/ TOEIC S&Wについては、TOEIC S&Wのスコアを2.5倍にして合算したスコアで判定されます。
小学生ならCEFR A1コースがおすすめです。生活に根ざしたテーマをもとに英語力を習得していきます。英検で言うと5級~3級に相当します。
中学生ならCEFR A1~A2がおすすめです。高校生レベルの英検準2級まで英語力を習得していくことができます。
高校受験にも役立つこと間違いなしです。
高校生ならCEFR B1~B2がおすすめです。高校生の早いうちからCEFRに取り組むことにより国内受験を見据えた方にも強い武器となります。英検で言うと準1級レベルまで英語力が習得できるので受験英語で怖いものはありません。
大学生や社会人の方には様々な必要性にあわせCEFR 全コースを柔軟に取っていただくのがおすすめです。
ある程度英語力があり、ビジネスで使える英語をに身に付けたい方はCEFR C1コース
職業上、翻訳や通訳を目指されていてさらに磨きをかけたいかたはCEFR C2コース
学校の英語の先生方はCEFR B2コースを習得していると良いでしょう。
NisaiのCEFRコースは、ヨーロッパの国際資格認定期間であるNOCNのESLカリキュラムに基づいて授業が実施されるため、グローバル基準の英語力を習得することができます。鍛えられた英語力は海外大学や就職だけでなく、国内大学の受験においても活用することができます。
※詳細は各大学のHPをご確認ください。
早稲田大学では、主に商学部、国際教養学部、文化構想学部、文学部で英語4技能テストが利用できます。上智大学のようにCEFRを利用するというよりは、各学部ごとにそれぞれ使用する外部試験が決められていて、各学部ごとに条件が異なります。
一般入試の一部において、英語④技能テスト利用型入試を導入します。学部にて、定めるスコアを満たすもののみが出願可能です。出願条件は英検準1級、またはTOEFL-iBT72点以上です。また、英検1級であるか、TOEFL-iBTの得点が95点以上だと5点加点されます。ただし、この入試方式は、商学部の一般入試の「地歴・公民型」と「数学型」の併用はできません。
(参考)2021年度 商学部 一般入試改革
2020年度の募集要項や入試要項は出ていないのですが、2019年度の入試でも外部試験を利用していたそうです。早稲田大学の一般入試のうち、英語4技能テスト利用型という入試です。大学からすでに挙げられている英語4技能テストのうちから1つを選択し、各得点において基準を満たしている場合出願可能となるのです。
文学部も文化構想部同様、2020年度の募集要項や入試要項は出ていないのですが、2019年度の入試でも外部試験を利用していたそうです。早稲田大学の一般入試のうち、英語4技能テスト利用型という入試です。
国際教養学部では一般試験で英語4技能テストの結果を出すことで各級や各試験の得点によって素点に加算されます。
(参考)早稲田大学
青山学院大学では、一部の学部の一部の方式で外国語の外部試験の結果を使われてると言われています。
「国際政治経済学部 国際政治学科・国際コミュニケーション学科」 や、「総合文化政策学部総合文化政策学科」では現時点では外国語の外部試験の結果を出願書類の中に定めると言われています。
(参考)青山学院大学
立教大学では、「英語」科目は英語外部試験を導入するそうです。文学部、異文化コミュニケーション学部、経営学部、経済学部、社会学部、法学部、観光学部、コミュニティ福祉学部、現代心理学部で英語の外部試験のスコアが使えるそうです。
(参考)立教大学
一般選抜でも活用します。いくつか条件がありますが、英語の民間試験の結果は活用されるようでした。
(参考)2021 年度入試(2020 年度実施)入学者選抜方法に係る予告について
東京海洋大学では、海洋生命科学部・海洋資源環境学部において出願資格として民間試験を以下の形で活用します。
また、海洋工学部では、英語資格や民間試験の成績を活用し、基準をCEFRのA1以上としています。
(参考)令和 3(2021)年度入学者選抜における英語資格・検定試験の出願資格への活用について(第3報)
金沢大学は以前は、英語の民間試験を出願資格として使用予定でしたが、2020年度の入試では使用しないそうです。しかし、英語の大学入学共通テストの英語について、人間社会学部と保健学部等では、英語の外部試験のスコア提出を認めているそうです。各試験のスコアによって大学共通テストの英語の得点をみなし満点とするそうです。
(参考)令和3(2021)年度入学者選抜の変更に関する予告(5回目)[PDF]
長崎大学では一部の学部(多文化社会学部)で英語の民間試験が使用されます。TOEFL iBT 61点以上、TOEICL&R730点以上、英検準一級以上、IELTS 5.5以上、GTEC(4技能版)1140点以上、TEAP334点以上のいずれかのスコアや級を有する人で出願申請したものは大学入学共通テストの外国語の得点を満点とみなすそうです。
(参考)長崎大学における英語民間試験の活用について
現在外部試験の結果を一般選抜に利用できるような入試制度について検討を重ねているそうです。令和2年3月をめどに公表するそうです。
(参考)佐賀大学
千葉大学では、出願資格としては英語の民間試験は使用しませんが、個別学力検査で外国語の検定試験の成績を利用する予定です。学部によりいくつかパターンがあるのですが、千葉大学の外国語の検定試験の活用法として、ある一定の点数が取れていれば外国語の得点に加点するという方式のようでした。
満点換算、20点加点、10点加点など3段階あり、ぞれぞれの段階により英語のそれぞれの検定試験での基準が決められています。
30点加点、20点加点の2段階があります。
10点加点、5点加点があります。
(参考)令和3年度千葉大学入学者選抜における外国語検定試験成績の利用について
宮崎大学では、一般選抜において、TOEICやTOEFLの成績や英検で一定のスコアや級を取得している場合、個別学力試験における英語の試験を免除し満点とするそうです。
(参考)宮崎大学
私たちNisaiの提供するCEFRコースは、グローバル基準の英語力をつけたい小学生~大学生やキャリアアップを目指す社会人のかたなど幅広く受講していただけます。経験豊かなNisai(ニサイバーチャルアカデミー)の講師が海外からオンランでプログラムをご提供いたします。
NisaiはヨーロッパのNOCN ESOL internationalとのカリキュラムに基づき、学習者の英語スキルをCEFRA1~C2までニーズに合わせて向上させていきます。
NOCNは国際的な資格提供機関として認められております。