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CEFRレベル
  • cefr
  • 2021.5.10

世界共通の語学のガイドラインCEFRとは?受け方や試験内容を紹介

CEFRとは?実は、CEFRは資格ではなく、英語能力をはかる「ものさし」なので、CEFRに試験自体はない。

CEFRというと、何を思い浮かべますか。学校、検定、試験、あるいは、日本の大学共通テストのように、国際的に実施されている試験だと考えられる方もいるのではないでしょうか。

CEFRとは、自分が今どの段階のレベルにいるのか客観的に認識することができる「ものさし」。

CEFRとは?国際的に認められた言語能力を測る基準

  • 1993年にEU(ヨーロッパ連合)で発足
  • EU域内での活発な学業、商業をすることが目的
  • どの言語にも対応している(英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語…)
  • 対象とする言語の到達度を振り返る指標
  • 技能※1を総合した実用的な技能をどの程度身につけているのかを表す
  • 習得レベルをA、B、Cの3段階※2に分けている。
  • さらにそれぞれ2段階に分類して、全部で6段階の区別
  • 一番未熟なレベルから順番に、A1、A2、B1、B2、C1、C2

※14技能・・・リーディング、スピーキング、リスニング、ライティング※2「A:基礎段階」「B:自立段階」「C:熟達段階」

CEFR自体は試験ではない。世界共通の英語能力レベルをはかる基準のことをさすのです。CEFRについてさらに詳しく知るにはこちら

CEFRでは、実用的な英語が身についているかを確かめられます。「本当に英語が使えるのか?」大学の授業での専門的なディスカッションや外資系企業での商談をイメージしてみてください。「実用的な」というのは、実生活の授業や仕事の中で使える英語になっているのか、ということです。

CEFRレベルを知りたい、または、CEFRの勉強をこれから開始するには、どの方法で学習を進めていくのか決める必要があります。

CEFRレベルは、英語検定テストを受けるとアップするのか。英検2級は、CEFR B1レベルといえる。

英検を例に取ると、簡単にCEFR基準が分かります。英検というと、文部科学省が後進しているということもあり、日本人ならほとんどの人が見聞きしたことがある、あるいは学校で受験したという方も多くいることでしょう。また、学習進度やレベルに合わせて7つの級から選んで受験することができることも英検の魅力のひとつであり、主にリーディング、リスニング技能を問う問題中心の試験内容となっています。1級から3級までは1次試験に加えて、2次試験に面接が課されており、スピーキングテストがあります。また、2016年からは4級と5級にもコンピューター端末を用いた録音形式でのスピーキングテストが実施されています。ただし、1次試験の結果のみで合否が出す形をとっており、2次試験のスピーキングテストは別で合否が出ます。このように、英検では、4技能を1次試験と2次試験で分けて実施しており、試験対策勉強で4技能の向上をはかれるよう試験内容を変化させています。2級の試験内容は、以下の通りです。

一次試験

英検1次試験

二次試験

英検二次試験

例えば、英検2級を取得すると、合否結果にCEFRレベルが同時に示されています。英検2級のCEFR基準は、A2〜B1に相当します。Bが中間レベルなので、半分以下のレベルと言えるでしょう。

最高レベルCEFR C2を取るための勉強法を知りたい。TOEIC® Program検定でCEFRレベルチェックをする。

TOEIC® ProgramでCEFR C2を判定することはできない?

TOEIC® Programは、アメリカにある非営利テスト開発機関であるEducational Testing Service(ETS)が開発・制作している英語コミュニケーション能力の測定テストです。TOEIC® Programは特定の文化を知らないと理解できないような表現を排除することで誰もが公平に受けることができるように設計されたテストとなっています。英語力測定テストのグローバルスタンダードとして世界中で実施され活用されています。

TOIEC® Programは、5つの領域に分かれています。一般的にTOEICと言われているテストは、TOEIC Listening & Reading Testのことを指します。5つのテストの中で最も受けられているTOEIC Listening & Reading Testの試験内容は、「問題数200問(リスニング100問・リーディング10問)・制限時間2時間(リスニング45分・リーディング75分)・試験方式は、マークシート方式をとっており、990点満点(Reading 495点満点、Listening495点満点)」とこのような形になっています。知識を問われ、紙に書き起こすマークシートという点において英検と形式が似ています。

TOIEC® Programでは、1555〜1150点がCEFR B1といえます。英検では、2級に区分されていたところです。点数で自分の能力を判断できる分、英検よりも細かい段階でCEFRのレベルチェックが可能です。 しかし、残念ながらTOIEC® ProgramではCEFR C2を目指すことはできません。文部科学省が出しているこちらの対照表を見てみましょう。TOIEC® Program、また、英検でもCEFR C2レベルの部分が空白になっています。これは、この2つの検定ではCEFR C2までの到達ができないことを示しています。

各資格・検定試験とCEFRの対照表

スピーキングテストの内容の薄さが大きな要因です。CEFRは、実用的な英語能力をはかっているのです。

実際に、英検レベルを就職の時に履歴書で活用することはあまり聞かれません。それは、今までの英検のテスト内容と英語を活用する力とにズレが生じているからです。

大学入試共通テストに必要なレベルは、その大学によって異なる。

センター試験にかわって2020年に実施された大学入試共通テストでは、国立大学や私立大学において民間の検定試験が用いられるようになりました。グローバル人材の育成を目指して、文部科学省が英語教育に力をいれてきたことが表れています。それぞれの大学でどのような英語能力の基準を設けているのでしょうか。

早稲田大学

早稲田大学では、主に商学部、国際教養学部、文化構想学部、文学部で英語4技能テストが利用できます。上智大学のようにCEFRを利用するというよりは、各学部ごとにそれぞれ使用する外部試験が決められていて、各学部ごとに条件が異なります。

商学部

一般入試の一部において、英語4技能テスト利用型入試を導入します。学部にて、定めるスコアを満たすもののみが出願可能です。出願条件は英検準1級、またはTOEFL-iBT72点以上です。また、英検1級であるか、TOEFL-iBTの得点が95点以上だと5点加点されます。ただし、この入試方式は、商学部の一般入試の「地歴・公民型」と「数学型」の併用はできません。
(参考)2021年度 商学部 一般入試改革

文化構想部

2020年度の募集要項や入試要項は出ていないのですが、2019年度の入試でも外部試験を利用していたそうです。早稲田大学の一般入試のうち、英語4技能テスト利用型という入試です。大学からすでに挙げられている英語4技能テストのうちから1つを選択し、各得点において基準を満たしている場合出願可能となるのです
(参考)早稲田大学

文学部

文学部も文化構想部同様、2020年度の募集要項や入試要項は出ていないのですが、2019年度の入試でも外部試験を利用していたそうです。早稲田大学の一般入試のうち、英語4技能テスト利用型という入試です。
(参考)早稲田大学

国際教養学部

国際教養学部では一般試験で英語4技能テストの結果を出すことで各級や各試験の得点によって素点に加算されます。
(参考)早稲田大学

鹿児島大学

一般選抜でも活用します。いくつか条件がありますが、英語の民間試験の結果は活用されるようでした。

  1. 大学入学共通テストで、外国語を課す学部や学科を受験予定で、民間試験でのスコアが一定条件を超えている。
  2. 大学入学共通テストの外国語を英語で受験し、英語筆記・リスニングの得点が80%以上取った人に対して、大学入学共通テストの外国語の英語の筆記・リスニングの得点を満点とみなす。
  3. 大学入学共通テストの得点率が80未満の場合、得点の25%の得点を加点する。

    (参考)2021 年度入試(2020 年度実施)入学者選抜方法に係る予告について

各大学によって、英語能力の基準は異なっていますので、詳しくは、ご希望の大学の案内を閲覧してください。

大学入試共通テストがどの大学でも同一の試験が実施されているように、英語能力も各種検定の結果をひとつにはかる基準が必要でした。そこで日本でもCEFRが英検、TOIEC® Program、TOIFLなどの結果をまとめる軸として用いられるようになりました。語学が重要視されているのです。

2020年の大学共通テストでは英語の記述式問題が見送られましたが、今後さらに外部検定試験の役割が大きくなっていくでしょう。CEFRによる英語能力判定の必要性が高まっていくということです。

 海外留学、海外大学進学を考えられている方にとっては、4技能のCEFR基準に加えて、高校の成績が重視されます。「あなたは、どんな人で、どのようなことをしてきたのか。」課外活動やボランティアで行ってきたあなた自身の実績を大学は見て入学を決めます。

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グローバル人材となるには、4技能を充実させること。スピーキング技能があがれば、他の能力は自ずとついてくる。

グルーバル人材となるには、より生活に即した力を身につける必要があります。日常生活で最も使われているリスニング・スピーキングの力を養っていくことです。

 センター試験から名前を変えた大学共通テストでしたが、試験方式は従来行われていたマーク式となっています。その中でリスニングにかかる配分が多くなりました。リスニングとリーディグの配点が同点になりましたが、大学入学共通テストでは、スピーキングテストはありません。2025年版大学入学共通テストの導入を目指していますが、大学入試センターでは、英語のスピーキングテストを導入するのは難しいとの見方を示しています。

英語試験

  1. 筆記・リスニング試験→リーディング・リスニング試験
  2. リスニングが50点→100点満点
  3. リーディングは200点→100点満点

試験がリーディング中心なのですから勉強方法もおのずとリーディングやライティングが主な内容になってきます。また、リスニングで英語耳を養う機会はありますが、スピーキングスキル(話す力)をつける機会がないのが大学入学共通テストの弱点です。

文部科学省は、社会の急速なグローバル化の進展の中で、異文化コミュニケーションを重視しています。現在学校で学ぶ児童生徒が大人になる21世紀半ばには社会的、職業的にも英語を使って生活することが格段に増えるであろうと予想しています。そのため、日本の文化、伝統を受け継ぎながらも多様な価値観を自分の言葉で英語を用いて言語化することが求められているのです。

アジアの中で最下層レベルとなっている日本の英語能力。日本人の英語力は一体何位?

文部科学省の「平成29年度 英語教育実施状況調査(高等学校)の結果」によると、高校3年生のうち、CEFR A2レベル以上を取得している生徒の割合は39.3%でした。国が高校3年生に求めている力は、CEFRA2レベル以上の生徒50%以上にはほど遠い結果となりました。

 その中でも最も低い値を出していたのがスピーキング能力です。CEFR A2以上を取得している生徒の中でもスピーキング能力が基準値に達している生徒は、12.9%になっています。

 日本国外に目を向けてみると、アジアの中でいかに日本の英語教育が後進しているかが分かります。文部科学省は、アジアトップレベルの英語能力の向上を目標として掲げていますが、TOEFLの結果をまとめた情報では、日本はアジアで最下位層に属しているのです。20年前から日本の公教育の英語教育はほとんど変わっていないことから、現在もこの数値やグラフが大きく変動していないということが分かります。

【図:iBT TOEFL(2005 TOEFL(2005-2006)結果(アジア) 結果(アジア)】

【図:TOEFL(cBT)の各国平均得点と受験者数の推移(2000~2006)】

出典:教育再生懇談会担当室

アジア最上位にランクしているシンガポール、インド、マレーシアは様々な民族が共存している国であるがゆえに英語を使っての対人コミュニケーションが日常の中にあります。そのような国に対して日本の英語能力が追いついていないことは当然の結果といえるのです。日常の中に英語を聞く・話す機会を作ることがCEFR学習の最大のポイントともいえるでしょう。

この研究結果からスピーキング能力の向上がリーディング、ライティング能力の向上にもつながることが分かります。スピーキング能力を鍛えることで他の能力を上げることができます。

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 英検やTOIEC® Programは、リーディング能力向上のためにモチベーションを上げる大きなきっかけとなります。しかし、試験内容や試験後の能力数値、あるいは実生活の中で使える能力を得られてるかと問うと、日本の社会に焦点をあててもその勉強方法の成果は、疑問視せざるをえません。過去の実績から失敗を学んだならば、これからの未来は別の方法や手段で作っていく必要があります。誰もが限りある時間を使って未来につながる成果を得たいと願っています。

NisaiにはCEFRコースがあり、実践的な英語力を鍛えることができます。各種検定は、1回の試験でCEFR基準をはかる一方で、Nisaiのオンライン教育では、長期的に(約2年間)実践的な英語を最適な価格で学ぶことできます。

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