
- インターナショナルスクール
- 2025.11.14
「英語、忘れちゃった」とさせないために。帰国子女のアカデミックな英語を伸ばすオンラインサービス徹底比較
こんにちは。Nisai Japanで教育アドバイザーを務めております、佐々木 愛です。
私自身も2児の母であり、インターナショナルスクールでの勤務経験もございます。
「海外でせっかく身につけたお子さまの英語力。帰国後、日本の生活で失われてしまわないか不安…」
「近所の英会話教室に通わせ始めたけれど、簡単すぎて退屈そう…」
帰国子女の保護者さまから、このような切実なご相談を毎日のようにいただきます。お子さまの大切な財産である高度な英語力を、日本で「維持」し、さらに「向上」させることは、想像以上に難しい課題です。
この記事では、通学型インターやオンライン教育の現場での経験から、帰国子女のお子さまが英語力を伸ばし続けるための「オンライン」という選択肢について、具体的なサービスを比較しながら徹底的に解説します。
帰国子女の英語力「維持」の壁 なぜ帰国後に英語力は落ちるのか?
海外では当たり前だった英語環境が、帰国した途端に失われる。この「環境の激変」こそが、英語力維持を阻む最大の壁です。なぜ英語力は低下してしまうのか、その理由から見ていきましょう。
圧倒的に不足する「英語に触れる時間」という現実
最も大きな理由は、圧倒的な「英語インプット・アウトプット時間の不足」です。海外では、学校の授業、友人との会話、テレビ、街の看板まで、生活のほぼすべてが英語でした。しかし帰国後はどうでしょう。日本の学校に通い始めれば、思考言語は急速に日本語へと切り替わります。
ご家庭で英語で話す努力をされても、海外での1日数時間以上のイマージョン(英語漬け)環境を再現することは不可能です。脳は効率的にできていますから、日常生活で必要とされない言語能力は、残念ながら少しずつ「不要なもの」として整理されていってしまいます。
「話せる」だけでは危険? アカデミックな英語力(CALP)の低下
ここで非常に重要なのが、英語力には2種類あるという点です。一つは「BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills)」と呼ばれる日常会話力。これは、友達とのおしゃべりや遊びの中で使われる、生活のための英語です。
もう一つが 「CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)」と呼ばれる学習言語力 。これは、理科や社会、数学といった「教科」を学び、論理的に考え、レポートを書くために必要な、高度でアカデミックな英語力です。
帰国後、家庭内での会話などで維持しやすいのは前者(BICS)です。しかし、英語で教科を学ぶ環境が失われると、後者(CALP)は急速に失われていきます。「英語は話せるけれど、英語で深く考える力が落ちてきた」という事態に陥りやすいのです。
なぜ一般的な英会話教室ではすぐに物足りなくなるのか
「英語力の維持のために」と、まずは近所の英会話教室に通わせる保護者さまは非常に多いです。しかし、ほとんどの場合、お子さまはすぐに「簡単すぎる」「退屈だ」と言い出します。
それもそのはず、一般的な英会話教室のカリキュラムは、基本的に「これから英語を学ぶ」日本のお子さま向けに作られています。すでに英語で思考し、ディスカッションするレベルに達している帰国子女のお子さまにとっては、その内容は知的な刺激になりません。
ゲームや歌、簡単な日常会話(BICS)の練習では、お子さまが海外で培ってきた高度な学習言語力(CALP)を維持・向上させることはできないのです。
英語力維持の選択肢 目的別オンラインサービス徹底比較
では、通学型インター以外の選択肢として、どのような「オンライン」サービスがあるのでしょうか。帰国子女のお子さまの目的別に、具体的なサービスを比較しながらご紹介します。
比較対象 通学型インターの魅力と「費用・両立」という高い壁
まず比較対象として、最も完璧な環境である「通学型インターナショナルスクール」を見てみましょう。最大の魅力は、海外と全く同じイマージョン環境で、アカデミックな英語力(CALP)を確実に維持・向上できる点です。
しかし、そのハードルは非常に高いのが現実です。年間200万~300万円以上かかる高額な学費、都市部にしかないという立地の問題、そして何より「日本の学校生活を諦めなくてはならない」という大きな決断が求められます。日本語力や日本の友人関係をどう築いていくかという、新たな悩みが生まれることも少なくありません。
英語力維持・向上向け
ネイティブキャンプ(特徴 レッスン受け放題・ネイティブ講師)
「オンライン英会話」の中で、日常会話力(BICS)の「量」を確保するのに最適なのがネイティブキャンプです。最大の魅力は、月額7,480円(税込)という低価格で、レッスンが「受け放題」である点です。
「今すぐレッスン」機能で、思い立った時に24時間いつでもネイティブ講師と話すことができます。とにかく英語を話す機会を毎日確保し、会話の瞬発力を維持したいご家庭に向いています。ただし、レッスンはフリートークや簡単な教材が中心になるため、アカデミックな英語力(CALP)の「向上」を目的とするには物足りない場合があります。
スモールワールドオンライン英会話(特徴 ポイント制・日本人講師)
スモールワールドは、月額制ではなく「ポイント制」を採用しているのが特徴です。事前にポイントを購入し、レッスンごとに消費するため、他の習い事で忙しいお子さまでも無駄なく受講できます。
また、日本人バイリンガル講師が中心である点も大きな強みです。帰国子女のお子さまが日本の学校に馴染む上での悩みや、英検対策、日本語のニュアンスを汲み取った文法指導など、「帰国子女の先輩」だからこそできるきめ細やかなサポートが期待できます。英検対策など明確な目標がある場合にも適しています。
Tellmate(特徴 英語での意思表現と思 creemos力強化)
Tellmateは、単なる「英会話」から一歩踏み込み、 「英語で自分の意思を表現する力」 に焦点を当てたサービスです。一般的な英会話が「Q&A」に終始しがちなのに対し、Tellmateはディスカッションや思考力を問うテーマを通じて、お子さまの持つ強みをさらに伸ばすことを目指しています。
「話せる」の先にある、「論理的に考え、伝える」力を鍛えたい場合、フリートーク型の英会話では物足りなさを感じているお子さまに、新たな刺激を与えてくれる選択肢となります。
受験国際試験・帰国生受験の「オンライン塾」
Moi Education(特徴 IGCSE/A-level/IBなど試験対策特化)
Moi Educationは、さらに専門性が高く、海外の主要な試験対策に特化したサービスです。IGCSE、A-Level、IB DPといった国際カリキュラムや、IELTS、SAT、TOEFLなどの標準試験対策を、イギリスの名門校出身者などの専門コンサルタントから受けることができます。
海外大学への進学や、特定の国際資格の取得を明確に目指している帰国子女のお子さまにとって、非常に心強い存在となります。
Edubal(特徴 帰国生講師による受験対策)
Edubalは、 「帰国子女向け専門」 を謳うオンライン塾です。最大の特徴は、講師が全員、帰国生やインターナショナルスクール卒業生である点です。
お子さまの「先輩」として、帰国子女枠での中学・高校・大学受験の経験に基づいた、実践的な指導が受けられます。一般入試とは異なる帰国子女受験の特殊なノウハウや、小論文対策、面接指導など、ピンポイントなニーズに応えてくれます。「日本の学校」への受験を考えている場合に最適です。
国際認定オンラインインター(インター教育の継続を実現)
グローバルステップアカデミー
ここからは、よりアカデミックな内容に入っていきます。グローバルステップアカデミーは、インターナショナルスクールが運営しており、国際基準のカリキュラムをオンラインで提供しているのが特徴です。
ナショナルジオグラフィック社のテキストなど、質の高い教材を使用し、理科や社会といった「教科」を英語で学ぶことができます。これは、お子さまのアカデミックな英語力(CALP)を維持・向上させるのに非常に有効です。通学型インターの「エッセンス」を自宅で体験できるサービスと言えるでしょう。
Nisai British International Online School
そして最後に、私たちが提供するNisaiです。Nisaiは「英会話」や「塾」ではなく、 「ケンブリッジ国際認定を正式に受けた、完全オンラインのインターナショナルスクール」 です。
最大の特徴は、単発のレッスンではなく、英国式の教育カリキュラムに基づき、英語、数学、理科、ICT、グローバル研究などを「学校」として体系的に学べる点です。授業は放課後や夜の時間帯にも授業が実施されているため、日本の学校との両立もできます。また1科目から受講できるのも特徴の一つです。世界中の生徒と共にライブレッスンを受け、IGCSEやA-Levelといった国際資格の取得を直接目指すことができます。
なぜ「オンラインインター」が帰国子女の英語力維持・向上に最適なのか
様々なサービスをご紹介しましたが、特にアカデミックな英語力(CALP)を維持・向上させたい帰国子女のご家庭にとって、「オンラインインターナショナルスクール」という選択肢がなぜ最適なのか、その理由を詳しくご説明します。
通学型の数分の一の費用で「英語で学ぶ」環境を維持
最大の理由は、通学型インターが抱える「費用」の壁をクリアできる点です。オンラインインターは、高額なキャンパスの維持費やスクールバス代などが一切かかりません。
そのため、通学型インターの1/3から1/5程度の費用で、同等品質の国際認定カリキュラム(ケンブリッジ国際など)を学ぶことが可能です。経済的な理由で通学型を諦めていたご家庭にとって、教育の質を妥協せずにアカデミックな環境を維持できる、非常に現実的な選択肢となります。
日本の学校生活と両立可能 ハイブリッドな学びの実現
次に、通学型インターでは難しかった「日本の学校との両立」が可能になる点です。日中は日本の学校に通い、日本語の読み書き能力や、日本の友人関係、部活動といった貴重な経験を積むことができます。
そして、放課後や週末の時間を使って、オンラインインターで「英語で教科を学ぶ」時間を確保するのです。この 「ハイブリッド型」の学び こそ、帰国子女のお子さまが日本語力と英語力の両方を高いレベルで維持・向上させ、真のバイリンガル・バイカルチュラル人材として成長するための理想的な環境だと、私は考えています。
年齢ではなく習熟度別 英語で議論できる仲間と場所
一般的な英会話教室での「退屈さ」も解消されます。オンラインインターでは、年齢ではなく、お子さまの現在の英語力や教科の 「習熟度」 に基づいてクラスが編成されます。
すでに高い英語力を持つ帰国子女のお子さまは、現地校で受けていたのと同じように、英語で理科や社会について深く議論できるクラスに参加できます。Nisaiのように、世界中の同レベルの生徒たちと学ぶ環境は、「簡単すぎる」と感じていたお子さまにとって、知的好奇心を大いに刺激する場となるはずです。
「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」ことの重要性
これは根本的な違いですが、オンライン英会話の目的は「英語を学ぶ(Learning English)」ことです。しかし、帰国子女のお子さまは、すでに英語を「習得」しています。
そのお子さまに必要なのは、英語を「使う」こと、すなわち 「英語で学ぶ(Learning IN English)」 環境です。英語で数学や科学を学ぶとき、お子さまは文法を意識するのではなく、その「教科の内容」を理解するために英語を使います。このプロセスこそが、アカデミックな英語力(CALP)を維持・向上させるために不可欠なのです。
Nisaiの事例 25年以上の実績と世界中の生徒とのライブレッスン
例えば、私たちNisaiは、25年以上にわたりオンライン教育を提供してきた実績があります。録画されたビデオ教材を視聴するのではなく、経験豊富なネイティブの「専門教師」によるライブレッスンにこだわっています。
お子さまは、日本の自宅にいながら、世界30カ国以上から集まるクラスメイトと共に、リアルタイムでディスカッションや共同作業を行います。これは、海外のインターナショナルスクールで得られる国際感覚や多文化理解を、オンラインで再現するものです。帰国子女のお子さまが持つグローバルな視点を、さらに養うことができます。
我が子の英語力を守る 失敗しないオンラインサービスの選び方
数ある選択肢の中から、お子さまに最適なサービスを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。教育アドバイザーの視点から、確認すべき項目をまとめました。
ポイント1 目的(維持か、受験か、更なる向上か)
まず、ご家庭の「目的」を明確にすることが最も重要です。「とにかく英語を話す機会を安価に維持したい(BICS維持)」ならオンライン英会話。「帰国子女枠で日本の中学・高校・大学に入れたい」なら帰国生専門のオンライン塾。
そして、 「現地校レベルのアカデミックな英語力(CALP)を維持・向上させたい」「将来的に海外大学も視野に入れたい」 のであれば、オンラインインターナショナルスクールが最適です。目的が曖昧だと、どのサービスを選んでもミスマッチが起こってしまいます。
ポイント2 講師(ネイティブ専門教師か、日本人講師か)
次に、講師の「質」です。単なる「ネイティブスピーカー」と、「教員免許を持つネイティブの専門教師」は全く異なります。
日常会話ならネイティブスピーカーで十分でしょう。日本の受験対策なら日本人バイリンガル講師が適任かもしれません。しかし、「英語で理科を教える」には、英語力に加えて「理科の指導資格」が必要です。お子さまのアカデミックなレベルを維持・向上させたいのであれば、講師が何の専門家で、どのような資格を持っているのかを必ず確認してください。
ポイント3 学習スタイル(受け放題か、ポイント制か)
ご家庭のライフスタイルに合うかも重要です。「受け放題(サブスクリプション型)」は、毎日レッスンを受ける習慣がつけば非常にコストパフォーマンスが高いですが、忙しいと割高になります。
「ポイント制(買い切り型)」は、他の習い事などで忙しいお子さまでも、都合の良い時に無駄なく受講できる柔軟性があります。どちらがお子さまのペースやご家庭の予算に合っているか、検討しましょう。
ポイント4 料金体系(月額制か、買い切りか)
ポイント3とも関連しますが、料金体系の確認も必要です。オンライン英会話の多くは「月額制(サブスク)」か「ポイント制」です。
一方で、グローバルステップアカデミーやNisaiのようなオンラインインター(スクール)は、決まったカリキュラムに沿って学ぶため、 「月謝制」 となっているのが一般的です。「レッスン単価」で比較するのではなく、「カリキュラムとサポート全体」に対しての費用として捉える必要があります。
ポイント5 カリキュラムの質(国際認定を受けているか)
これは、アカデミックな質を求める上で非常に重要なポイントです。そのスクールが提供するカリキュラムが、 信頼できる国際的な教育機関の「認定(Accreditation)」 を受けているかどうかを確認しましょう。
例えば、Nisaiが取得している「ケンブリッジ国際」や、「IB(国際バカロレア)」などが有名です。これらの認定は、カリキュラム、講師の質、評価方法などが世界基準を満たしていることの「公的な証明」です。認定のないスクール独自のカリキュラムとは、信頼性が大きく異なります。
Nisaiが提供する国際資格(IGCSE A-Level)とは
オンラインインターを選ぶ際、将来的な「資格取得」も視野に入れると良いでしょう。例えば、Nisaiが提供するカリキュラムは、 「IGCSE」や「A-Level」 といった国際資格の取得に直結しています。
IGCSEは、イギリスの義務教育修了資格にあたり、世界中で認められています。A-Levelは、その先の大学入学資格で、これをもってイギリス、アメリカ、オーストラリア、そして日本の大学(国際系学部など)への進学が可能になります。お子さまの英語力を「資格」という目に見える形にできるのは、大きな目標となります。
実際の体験談 帰国子女の先輩ファミリーの声
「帰国後、近所の英会話では物足りず、英語力が落ちる一方でした。Nisaiの体験レッスンで、世界中の同年代の子と理科の授業を受けて『これだ!』と本人が目を輝かせたのが決め手です。日本の学校と両立しながら、現地校と同じレベルの学習が続けられています。」(13歳・男子 保護者さま)
このようなお声は、私たちが最も多くいただくものです。やはり決め手は、お子さま自身が「知的に満足できるか」どうか。日本の学校生活も楽しみつつ、アカデミックな英語環境も維持できる「ハイブリッド型」の学びに満足されているご家庭が非常に多いです。
まとめ
帰国子女のお子さまが現地で身につけた高度な英語力(CALP)は、帰国後、環境を整えなければ急速に低下します。一般的な英会話ではその維持は難しく、かといって通学型インターは費用や両立が困難です。
一般的な英会話教室ではアカデミックな英語力(CALP)の維持は難しく、かといって通学型インターは費用や両立の面でハードルが高いのが現実です。
その中で、 「オンラインインターナショナルスクール」 は、通学型の1/3~1/5の費用で、日本の学校生活と両立しながら、現地校と同等の「英語で学ぶ」環境を維持できる、非常に現実的かつ効果的な選択肢です。
最も重要なのは、お子さまの目的(BICS維持か、CALP向上か)を明確にし、その目的に合った「質」(国際認定や専門教師)を備えたサービスを選ぶことです。ぜひ体験レッスンなどを活用し、お子さまが「退屈しないか」「知的な刺激を得られるか」を見極めてあげてください。