ブログ

国際バカロレア
  • バカロレア
  • 2022.5.23

国際バカロレア(IB)プログラムの詳細や、受験方法、メリット・デメリット。IBで受けられる国内外の大学一覧!日本国内の認定校をご紹介!

文部科学省も国内での普及を推進している国際バカロレア(IBプログラム)とは

国際バカロレアプログラム、またはIBと呼ばれる探究型の学習カリキュラムについてご紹介します。日本国内に限らず、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの世界各国で認定校が存在します。2022年現在、世界159以上の国と地域の約5400校がIBの認定校です。世界共通の定められたプログラムを認定校で受けることができます。

国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されました。現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施しています。*文部科学省 IB教育推進コンソーシアム

IBプログラムの学習者像(learner profile)は国際的な視野を持つ人間の育成を目的としていて、IB教育を通して理想の人物像になる教育を目標としています。

IB学習者像 (IB Leaner Profile) 探求する人知識のある人考える人信念をもつ人心を開く人思いやりのある人挑戦する人バランスの取れた人振り返りができる人

国際バカロレア(IB)は本部がスイスのジュネーブに位置する国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムです。IBは International Baccalaureateの略称で年齢ごとの3つのプログラム、および高校卒業認定として2年間の国際バカロレア・ディプロマ(IB Diploma)を受けることになります。一般的にIB とは高校卒業認定であるIB Diplomaのことを示します。

IBには3つのプログラムがあり、年齢ごとに分かれています。DPプログラムでは途中編入は原則としてできませんが、PYPやMYPを受けていなくてもDPを受けることができます。また、DPプログラムは英語で受ける必要があるので、英語で英語を学べるほか総合的な英語力向上も期待できます。

日本国内ではインターナショナルスクールや海外の現地校でIB認定をされている学校も多くありますが、一条校と呼ばれる学校教育法第1条に規定されている学校、つまりは日本政府が学校と認定している教育機関でも実施されています。

3つのカリキュラム 対象年齢 日本における学年 日本国内の認定校(令和2021年12月31日時点)
PYP (Primary Years Programme)  3歳ー12歳 幼稚園〜小5 認定校53校 候補校10校
MYP (Middle Years Programme)  11歳ー16歳 小5〜高1 認定校29校 候補校12校
DP (Diploma Programme)  16歳ー19歳 高2ー高3 認定校58校 候補校13校

それぞれのカリキュラムについて詳しく説明します。DPの説明では科目選択や国内でDPを導入している高校、そして日本でIBDPを取得して受験できる国内の大学についてもご紹介します。

国際バカロレア(IB)とフランスのバカロレアは別物

最近日本で有名になってきた国際バカロレア(IB)ですが、フランスのバカロレアとは全くの別物です。国際バカロレアは1968年にスイスを拠点として設立された国際教育機構となっています。世界共通の大学入学資格及び成績証明を与えるプログラムになっています。

一方、フランスのバカロレアはフランス教育省が発行する中等教育レベル証明(日本でいう高校卒業)の国家資格です。フランスではこのバカロレアを取得すれば、フランス国内の大学へ入学できる資格を得たということになります。日本に例えると、日本の高校卒業資格を得たら日本国内の大学へ入学する資格を得たのと同じということです。

国際バカロレア(IB)とフランスのバカロレアは別物ということが分かりました。それでは国際バカロレア(IB)について詳しく見ていきましょう。

IB(国際バカロレア) PYP(対象年齢:3歳ー12歳)

1997年に設立された、3歳から12歳を対象とした国際的な初等教育プログラムです。PYPの2019年には世界109カ国以上に1782校、日本国内には2021年時点で53校が国際バカロレアの認定校です。ほとんどの学校ではPYPを英語で学びますが、国内には日本語で学べる学校もあるので調べることをお勧めします。

文部科学省のIB教育推進コンソーシアムによると国際的な教育を身につけるために6つのテーマに取り組むことで生徒を自立した学習者として育成するのが目的です。

  • 私たちは誰なのか
  • 私たちどのような時代と場所にいるのか
  • 世界はどのような仕組みになっているのか
  • 私たちは自分たちをどう組織しているのか
  • この地球と共有すること

言語、社会、算数、芸術、理科、体育、の6教科の基礎科目に加え、生徒に国際的な視野を持たせるためにグローバルな社会問題を科目問わずに取り上げることで生徒個人の考え方を伸ばし探求的な学習を目指しています。PYPの評価は全て学校内の教師による内部評価(Internal Assessment)となります。基礎的な知識やスキルの習得も評価されます。

PYP認定校(一条校)

学校名 都道府県
開智望小学校 茨城県
町田こばと幼稚園  東京都
聖ヨゼフ学園小学校 神奈川県
栗原学園やまた幼稚園 神奈川県
山梨学院幼稚園 山梨県
山梨学院小学校 山梨県
天周学園 若草幼稚園 長野県
サニーサイドインターナショナルスクール 岐阜県
エンゼル幼稚園 静岡県
静岡サレジオ幼稚園 静岡県
静岡サレジオ小学校 静岡県
同志社国際学院初等部 京都府
英数学館小・中・高等学校 広島県
香美市立大宮小学校 高知県

認定校の一覧(インターナショナルスクール含む)はこちらご覧ください

認定校・候補校

IB(国際バカロレア) MYP(対象年齢:11歳ー16歳)

PYPに続き、11歳から16歳までを対象としていて、最終段階のDP(Diploma Programme)に備えるための基礎学習を目的とした中等教育プログラムです。「言語A (母語)」「言語B(第二言語)」「人文科学」「数学」「科学」「体育」「芸術」「テクノロジー」の合計8つの教科を5年間かけて学びます。加えて、各教科間を超えた繋がり(AOI: areas of interaction)の5分野をPYPのような横断的テーマと似た形で学習します。

以下の5つのAOIを通じてそれぞれの分野の教科を実社会との繋がりを発見しながら学習していきます。また、ほとんどの学校では英語での指導のため英語力を向上させ国際社会に向けた考え方や知識などを幅広く、そして深く勉強することができます。

  • 学習の方法(approaches to learning)
  • コミュニティーと奉仕活動
  • 人間の創造性
  • 多様な環境
  • 保健教育と社会性の教育

MYPの一つの特徴としては、MYP最終学年(10年生)に行われる Personal Projectと呼ばれる個人別の自由研究のような課題に取り組みます。1年間の間に生徒は自分たちで好きなテーマを決めて、レポート(エッセイ)を書き、そして最終的に作品を発表します。成績はレポートで決まりレポートには最終作品の取り組みます。論文やリサーチ以外にも、美術作品でも可能です。

Personal Projectは主に3つのパートに分かれています。

課題 内容
制作過程の記録(Process Journal) 作品完成までの計画、必要情報の記録、完成した作品の評価など、アイディアを決めてから1年間の期間の間に感じたこと、特定のテーマを選んだ理由や経験なども全て記載されます。
最終作品 1年を通して完成した作品の発表や作品そのもの
レポート 1500ワード以上で3500ワード以下の英語論文(参考文献等を除く)

Service and Action 

Service and Action、通称SAと呼ばれる行動・奉仕活動も生徒全員が行います。グループまたは個人で行うことができ、ボランティア等を通じてコミュニティ内での自分の役割、コミュニティの定義や意義、そして学校で学んだことを実用的に生かすことができます。SAに参加することでよりコミュニティーのために活動でき行動力のある人に成長できます。

MYP認定校(一条校)

*2022年4月の最新:ぐんま国際アカデミー中等部(群馬県)が追加されました

学校名 都道府県
市立札幌開成中等教育学校 北海道
仙台育英学園高等学校 宮城県
秀光中学校 宮城県
さいたま市立大宮国際中等教育学校 埼玉県
昌平中学校・高等学校 埼玉県
開智日本橋学園中学・高等学校 東京都
玉川学園中学部・高等部 東京都
東京学芸大学附属国際中等教育学校 東京都
加藤学園暁秀中学校・高等学校 静岡県
大阪教育大学附属池田中学校 大阪府
育英西中学校・高等学校 奈良県
朝日塾中等教育学校 岡山県
広島県立広島叡智学園中学校・高等学校 広島県
高知県立高知国際中学校・高等学校 高知県

認定校の一覧(インターナショナルスクール含む)はこちらご覧ください

認定校・候補校

IB(国際バカロレア)  DP(対象年齢:16歳ー19歳)

大学進学の準備過程で高校生を対象としていて最終試験で定められた成績を収めることで世界100カ国以上で通用する大学入試資格の国際バカロレアを取得することができます。一部の科目が日本語で受けられる日本語DPも導入している学校がありますが、ほとんどの場合は英語で授業を行います。学習内容は母語、外国語、科学、社会、数学と美術の6科目に加え、そのうち3科目以上は上級レベルのHL (Higher Level)を受ける必要があります。また、追加のボーナス点として考慮されるのがTheory of Knowledgeのエッセイ、Extended Essayと呼ばれる課題論文と課外活動の要素を含むCreativity、 Action、 Serviceの3つです。最終的な成績は6科目(1-7満点)とTheory of KnowledgeとExtended Essayの3点で合計45点となります。その他にも学校内で評価される課題が各教科あり、最終成績の2−3割を占めています。

IBDPに関する主なメリット・デメリットを3つ取り上げます。

メリット デメリット
①世界各国の大学受験資格 ①高い英語力が必要
②多種多様な教科を学べる ②統一試験との両立が大変
③英語で学び深く考える力が身につけられる ③学校外の時間が限られる

メリット1:世界各国の大学受験に使える

IBディプロマで合格点を取れば世界100カ国以上の大学での大学入試資格になります。日本国内の東大や京大、早慶などの超難関大学も含め、医学部やアメリカのコロンビア、スタンフォード大学を含むアイビーリーグやイギリスやアジア諸国の名門大学などにも進学することも夢ではありません。どこの国で高等教育を終えたとしてもディプロマで基準点を満たす成績を収めれば世界各国の自分の好きな大学に出願することができるのが魅力の一つです。

メリット2:多種多様な教科を学べる

異なる6グループのうち、合計6科目を学ぶ必要があります。グループ1ー6の詳細は後ほど説明しますが、母語、外国語、科学、社会、数学と美術(他の教科に代用可能)の各グループから1科目ずつ選択できます。例えば、数学を集中的に学べるグループ5では数学的知識や概念の実用的な応用を学べる科目と学問としての数学を学び証明や計算に取り組む科目の二種類から1つ選ぶ必要があります。科学の選択科目ではComputer ScienceやDesign Technologyなど通常の日本の高校では学べない、データやデザインなどに興味がある方向けの科目も学校により受けることができます。他にも社会学に関する科目では歴史や地理の他に、Business Management、 Economics、 Global Politicsなどのビジネスマネージメントや経済学のあり方について2年間難易度・レベル別に学ぶことができます。

メリット3:英語で学び深く考える力が身につけられる

IBDPの最終試験、および最終試験前に提出を求められてるその他の課題で高得点を取るには過去問や教科書の暗記だけでは不可能です。IBの学習者像のなかに「探求する人」と「考える人」が学習内容に強く反映されていて、授業では生徒同士とのグループワークやエッセイ、プレゼンの課題が多く出されます。IBの学習において必要不可欠なのが学び深く考える力です。調べたことを元に自分の意見をまとめたり、またはIBDPに必要不可欠なExtended Essayと呼ばれる課題論文でも自分でテーマを見つけ論ずる能力が求められます。ほとんどの場合では外国語を除く試験は英語で行われていているため英語能力を向上させるのはもちろんのこと、実社会で必要な多視点から批判的に、そして論理的に物事を判断・分析する能力を上げることができます。

デメリット1:高い英語力が必要

IBの試験では母国語・外国語を除き、ほぼ全ての科目を英語で受ける必要があります。初めは英語力が低くても、日々の復習や勉強で英語能力を上げることは十分可能です。

しかし、英語を使いながら英語「で」6科目を勉強するため、高い英語力がなければ日々の課題をこなすのでさえ時間と労力が掛かります。もちろん、本人の努力次第で短期間に英語力を劇的に向上させることもできます。

デメリット2:統一試験との両立が大変

IBの点数の他にも、大学や国によっては統一試験の勉強も必要不可欠となります。例えばアメリカではSATと呼ばれる大学進学に必要な全米共通の試験を受けたり、英語能力を照明する試験としてTOEFLやIELTSで一定の点数以上を取らないといけません。日本国内の帰国子女枠も英語能力の証明としてTOEFL等のスコアを提出する必要が多いです。もしIBディプロマの資格を取りたいのであれば、必要な統一試験の勉強は早くに始め、余裕を持って計画的に勉強することをお勧めします。

デメリット3:学校外の時間が限られる

IBDPでは課題やエッセイの量が多く、2年目は特に課題に追われるのをよく耳にします。課題が最終的なスコアに直結する場合も多いので全力で勉強に取り組む必要があります。また、最終スコアに影響するTheory of KnowledgeやEEなどの長期間取り組むエッセイや論文なども複数こなした上でCreativity、 Action、 Serviceと呼ばれる課外活動にも2年間で合計150時間以上取り組む必要があります。

IB試験で求められる科目選択、取得方法と必要なレベルについて

IBDP 用語説明
Standard Level (SL):標準レベルの授業で高校最終学年から大学1年生の間に学ぶ内容です。2年間で150時間以上の授業時間で原則としては6教科のうち3教科はSLレベルを選択する必要があります。
Higher Level (HL):上級レベルの内容で大学1ー2年生レベルです。SLとは異なり、授業時間も2倍の240時間以上になります。同じく3科目をHLで履修する必要がありますが、許可が降りればHL4科目SLを3科目取ることも可能です。HLとSL難易度は科目によりますが、理数系は特にHLの方が難易度が高いです。注意点としては、医学部志望者は特定の理系科目をHLレベルで取る必要があります。
Theory of Knowledge (TOK) 知識の本質について考える哲学的な科目です。2022年の5月以降にTOKのカリキュラムが変わりまして、TOKの評価はTOKエッセイ(外部評価)とTOK Exhibition(内部評価)により評価されます。TOKのエッセイは配点が全体の67%で1600ワード、内容は6つのPrescribed essay titlesから1つを選択します。Exhibitionの配点は残りの33%を占めています。

IB TOKの新カリキュラムについてはこちら:https://www.edubal.net/edublog/b20200928-1001333/ 
Extended Essay (EE) 選択した6科目のうちの1つの科目を選び自分で調べてテーマを決定します。教員との相談やアドバイスを受けながら最大4000語(日本語では8000字)に及ぶ論文の作成します。生徒は約40時間かけてテーマを決定し、完成まで書き終えます。Extended Essayを通して研究の基礎的なプロセスを身につけることができます。
以下の資料をご覧いただくとよりIBOが出版した「課題論文」(EE)指導の手引き:(日本語)https://www.ibo.org/globalassets/publications/extended-essay-jp.pdf 
IB EEの詳細はこちらのサイトをご覧ください:https://www.edubal.net/extendedessay-ib/#4 
Creativity, Action, Service (CAS、創造性・活動・奉仕)   音楽、芸術、演劇などの創造的な活動、スポーツや社会問題解決のためのプロジェクトなど様々な活動を意味します。Creativityは創造性、つまりは生徒が活動を企画・参加したり劇への出演や演奏などの芸術的活動も含まれます。Actionは自ら目的を持った旅行や遠征、団体スポーツの参加や国際プロジェクトの参加です。そしてServiceは幅広いボランティア活動の意味合いを持ち、地域の人との交流や意義のある活動等のことを指します。CASのコーディネーターのアドバイスをもらいながら、2年間で最低50時間ずつ、合計150時間以上の活動が必要です。
IA (通称Internal Assessment):学校内での内部評価で学校内で評価される課題のことを示します。IBの最終評価の2−3割程度を占めていて、2週間取り組む期間が与えられます。6教科の全てで課せられる最終試験前に全て提出しないといけないため、早期から各教科のテーマを選び、必要なリサーチや資料等などの準備を進めることをお勧めします。

IBディプロマを取得するのに必要な点数基準

 DPのカリキュラムを全て履修し、国際バカロレア試験等の外部評価と内部評価の総合得点45満点中24点以上(全科目4以上が合格)を取る必要があります。先ほど説明しました6グループのうちから1科目ずつを選択します。合計6科目・各7点満点の計42点とコア科目であるTheory of Knowledge (TOK)とExtended Essay (EE) の結果で最大3点プラスされます。Creativity, Action & Service (CAS)は評価外です。

6科目(原則:HL 3科目、SL3科目)

6つのグループ(各グループから1科目選択)

*学校によっては受けられる科目が異なります

グループ 内容
Group 1 言語と文学(第一言語、母語)
Group 2 外国語(第二言語)
Group 3  個人と社会
Group 4  科学
Group 5  数学(Mathのみ)
Group 6 芸術(Visual Artsのみ)

Group 1 

言語と文学(第一言語、母語):多くの生徒が第一言語で履修します。個人での文学鑑賞の他に、これらのコースを通じて文学と言語に対する理解や様々な時代やジャンル、著作物を批判的に読んで評価することで批判的思考力(Critical Thinking Skills)を培うことができます。

例:English Language and Literature、English B 

Group 2 

外国語(第二言語):第二言語以降の外国語として、選択した外国語の能力の発達をメインとしています。生徒の批判的な読解と鑑賞力を高め、さらに異文化の理解を深めることにも焦点を当てています。授業では文学作品や外国語の新聞記事等のディスカッションが行われます。試験は外部試験ではライティング・リーディングやリスニング能力を試す試験、そして内部試験では15分程度のプレゼンテーションと質疑応答です。ほとんどの学校では特定の言語のLanguage Bのコースがあります。

例:English B 

Group 3 

個人と社会:日本の社会科に相当する授業です。生徒は様々な政治システムや理論について学べるGlobal Politicsの授業や、心理学で人の行動と心理プロセス、マーケティングや金融の性質を学べる Business Managementの授業など多岐に渡ります。

例:Business Management, Economics, History, Geography, Global Politics, World Religions, Information Technology in a Global Society, Philosophy, Social and Cultural Anthropology, Psychology   

Group 4 

科学:主に科学の分野の学習で、主要な物理科学、自然科学(生物学、物理学)や生命科学についてラボでの実験で得られる基礎研究と科学的調査能力を学ぶことができます。また、技術に関する科学分野としてComputer ScienceやDesign Technologyも履修可能です。

例:Biology, Chemistry, Computer Science, Design Technology, Physics

Group 5 

数学(Mathのみ):数学的な知識や概念、原理を身につけ興味のある分野で数学を学ぶことができます。2種類の選択科目があり、Mathematics: Analysis and Approachesでは数学を用いて数学的思考の育成を目的としています。そのため、Analysisの分野では微分・積分、三角関数や代数に焦点を当てることとなり履修内容が多くなります。大学で理系学部や経済学部を専攻予定の方におすすめです。Mathematics: Applications and Interpretationでは実用的な数学を学ぶのをメインとしており、そのために必要な数学の基礎知識を身につけることができます。統計と確率を中心とした学習になります。統計学などを活用した心理学や理数学部の専攻を希望されている方におすすめです。

例:Mathematics: Analysis and Approaches, Mathematics: Applications and Interpretation

Group 6 

芸術(Visual Artsのみ):演劇や美術、音楽などの芸術分野を通して創造性と芸術分野の実技・その歴史について学べます。得意な人では高得点を狙える科目ですが、そうでなければグループ1から4の科目を一つ選択することで条件を満たすことができます。

例:Visual Arts, Music, Theater, Film, Dance 

DP認定校(一条校)

*2022年の4月最新:札幌日本大学高等学校(北海道)、帝京大学可児高等学校(岐阜県)が追加されました

学校名 都道府県
市立札幌開成中等教育学校 北海道
宮城県仙台二華中学校・高等学校 宮城県
仙台育英学園高等学校 宮城県
茗渓学園高等学校 茨城県
昌平中学校・高等学校 埼玉県
筑波大学附属坂戸高等学校 埼玉県
開智日本橋学園中学・高等学校 東京都
東京学芸大学附属国際中等教育学校 東京都
武蔵野大学附属千代田高等学院 東京都
神奈川県立横浜国際高等学校 神奈川県
法政大学国際高等学校 神奈川県
三浦学苑高等学校 神奈川県
山梨学院高等学校 山梨県
山梨県立甲府西高等学校 山梨県
松本国際高等学校 長野県
東海学園高等学校 愛知県
滋賀県立虎姫高等学校 滋賀県
コリア国際学園 大阪府
大阪女学院高等学校 大阪府
大阪市立水都国際中学校・高等学校 大阪府
AIE国際高等学校 兵庫県
マリスト国際学校 兵庫県
岡山理科大学附属高等学校 岡山県
朝日塾中等教育学校 岡山県
英数学館小・中・高等学校 広島県
AICJ高等学校 広島県
広島県立広島叡智学園中学校・高等学校 広島県
高知県立高知国際中学校・高等学校 高知県
リンデンホールスクール中高学部 福岡県
福岡第一高等学校 福岡県
沖縄尚学高等学校 沖縄県

認定校の一覧(インターナショナルスクール含む)はこちらご覧ください

認定校・候補校

IB入試は日本を含め世界100カ国以上で認定されている国際的な試験です。日本国内の入試でもIB入試を取り入れている大学が多く、特定の合計得点や科目別の点数に加え、英語の能力を示す試験や面接、小論文等が課せられる場合があります。

IBディプロマを取得するまでの難易度は非常高く、辛い現実

IBは文科省のお墨付きもあり、日本で普及をしていますが、日本の教育カリキュラムとIBカリキュラムの大きな違いから日本人学生にとっては非常に難易度が高く、辛いという現実があります。

また日本国内でバカロレアのカリキュラムを教えられる教員もほとんどいないため、バカロレア教員を雇うのにも学校側には相当の負担がかかります。また文部科学省は一条校であり、かつIB認定校になった学校にはIBで学んだ科目を一部、日本の学習指導要領の科目履修として認めるという特例措置を取っています。しかし、現実としては学習指導要領に定められた内容の履修に加え、IBカリキュラムも同時に実施していかないといけないため、教員及び生徒には相当の負担がかかっていることは事実です。最終的なIB試験に合格できなかった場合は日本の大学受験へ一気に舵を切らないといけないという現実もあるため、相当辛い現実を味わっている生徒もいると聞きます。

日本国内でIB Diplmaで入学できる大学(2022年3月中旬時点)

国際バカロレアを活用した国内大学入試

*IBを認めている大学は多いですが、必ず志望大学の公式サイトをご覧ください。専攻や大学によっては、合計得点、科目(HL・SL)の得点の指定に加え、追加で外国語能力を測る試験やその国の大学入試試験を受ける必要があります。

国内医学部:IB入試で受験できる医学部リスト(医学部・医学科)東京医科歯科大学筑波大学・医学部医学類東北大学広島大学岡山大学鹿児島大学順天堂大学愛知医科大学 *受験科目、レベル(HL・SL)やIB最終試験の点数の指定がある大学が多いです
詳細:https://www.edubal.net/edublog/b20211105-18390/ 

留学にも非常に力を発揮するIBディプロマ!世界でIB国際資格のスコアを認めている大学 

アメリカやイギリス、カナダなど世界100カ国以上にある5000以上の大学でIBを大学入試時に利用できます。国際的な大学入学資格として認められています。また、一部の科目では一定の点数を取得した場合、該当する科目では入学後に単位が取れ履修免除になります。

例として、アメリカのワシントン州・ワシントン大学ではIBDPで各科目4以上取った場合に単位が取れ、最大45単位(約3学期分)が入学後に免除になり、早く卒業することができます。

文部科学省より「例えば、英国の大学では、中央機関(UCAS)が国際バカロレアや英国の共通試験であるAレベル等のスコアの統一的な換算表を作成し、各大学が国際バカロレアのスコアを入学オファー等を行う際の目安として活用しています。」

無料で世界中のIBを受け入れている大学の情報を調べたり、オープンキャンパスの申し込み等もできるほか、大学のインタビュー記事やIB卒業生の記事なども載っています。
IB生のための大学検索Univ-it! https://univ-it.net/blog/introduction 

IBで失敗しないためにも知っておくべき現実IB国際試験に合格できず、浪人する生徒も増加

これまでIBについて様々なご紹介をしてきました。IBで失敗しないためにも知っておくべき現実もあります。IBのMYPプログラムからDPプログラムへ進むことができるのは世界でMYPに通う生徒のおよそ50%程度というデータもあるようです。またDPへ進学した生徒の内、DPの獲得ができるのは80%の生徒となっているとも聞きます。IBはいいプログラムではあるのは事実ですが、一条校がIB認定校となっている場合は日本のカリキュラムに加えIBカリキュラムにも沿って6分野に渡って学んでいく必要があるため、非常に厳しいという現実があります。

海外への進学を目的とされている方はIBの良さや難易度も知りつつ、他にも存在する国際教育機構についても知っていかれることをおススメいたします。

世界で認められている2大国際教育機構 IBとケンブリッジインターナショナル

世界で最も普及している教育プログラムとしてケンブリッジインターナショナルが知られています。

Cambridge Internationalの教育プログラムはイギリスを中心に約160カ国 10,000校の学校で認可され、毎年17万人の学生に受講されています。最近では国際バカロレア(IB)を提供する高校も増えてきていますが、世界中の殆どの学生はA-Levelを勉強しています。ALevelは高校生で学ぶ科目数は3〜4科目程度で良いとなっており、自分の興味のある科目や進学したい学部が求める科目に絞って学んでいくことができます。これはケンブリッジは専門的な人財を育成していくことに特徴があるためです。また完全オンラインでも受講して国際資格が取れるようになっています。日本の生徒にとっても柔軟性が高いとも言われているのがケンブリッジインターナショナルのカリキュラムです。

IBとケンブリッジについてはこちらをご覧ください。

世界の2大国際教育機構!バカロレアとケンブリッジの違いを比較!!

モバイルバージョンを終了