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アメリカン・スクール(アメリカ式インターナショナルスクール)の特徴と日本からの編入について解説!
  • インターナショナルスクール
  • 2024.1.16

アメリカン・スクール(アメリカ式インターナショナルスクール)の特徴と日本からの編入について解説!

インターナショナルスクールの定義やアメリカン・スクール(アメリカ式インター)の特徴を紹介しています。カリキュラムの特徴では日本の小中高との違い、APクラス・大学受験及び志望校の選び方、夏休みの過ごし方を紹介しています。また、日本国内からアメリカン・インターに興味のある方向けにメリットやデメリット及びインター編入の詳細も参考にしてみてください。

インターナショナルスクールとは?日本の学校との違い

インターと英会話との違いについてはこちらをご覧ください

インターナショナルスクール(以下、インター)とは一般的に様々なタイプがありますが、大まかに3種類の学校があります。

  1. 英語を第一言語とする国が日本に住む自国人のために設立した学校。各国の公立学校のカリキュラムに沿った内容を教えており、外交官や仕事で来日してる家庭のお子様を教育するのが目的です。

(例:アメリカンインター、ブリティッシュインター、カナダインター等)

  1. 欧米の学校や大学によって日本で作られた、日本人の子供を英語で教育する学校。

(例:東京インターハイスクール、文化学園大学杉並中学)

  1. 日本の学校や団体によって設立され、日本人の子供を教育するために作られた学校です。

(例:西町インターナショナルスクール)

今回紹介するアメリカの教育制度を取り入れている学校は(2)に該当します。

インターの学費は高い?

インターナショナルスクールは日本国内(一条校)の私立・国公立の学校と比べると学費が非常に高額です。授業料は平均200万円前後かかりますが、少人数の授業かつ高品質の施設・教職員を安定して継続的に維持し続ける必要があるからです。

インターの学費が高い要因

  1. 少人数制:多くのインターでは少人数制の授業を取り入れているため、一つのクラスで20人から30人前後です。インターに通っているご家庭の多くは海外から日本に仕事できているため、生徒が皆同じ学力や理解度とは限りません。生徒一人一人の性格や学力面におけるサポートを細かく把握するために少人数制で教えているインターがほとんどです。
  2. 教員のコスト:当然ながらレベルの高い教育を少人数制で提供するにはお金がかかります。特にインターでは教職員を募集する際は英語がネイティブレベルの前提で教える学年や担当科目、自国での経験・教職免許等を採用条に設けています。教育経験が豊富で日本の学校で働きたい外国の先生を雇うのにはコストがかかります。また、各職員の居住費や渡航費も追加でかかります。
  3. 探究的カリキュラム:インターでは日本の学校と異なるカリキュラムに沿って授業が行われ、学校側は自由にカリキュラムを設定できます。そのためカリキュラムに必要な教材費や課外活動費用等が必要となるため、どうしても費用が高くなってしまいます。
  4. 多国籍な生徒の獲得:生徒も外国籍の生徒が多く、インターは外国の生徒を受け入れる前提で運営しています。また、家庭の都合で海外へ転校になる場合もあります。特に世界経済への影響や、日本は災害が多い国なので大きな災害後はインターに多く影響を与えます。それゆえにインターは長期的な学校運営のため、一人一人の学費を高くしなければならず、費用がかかってしまいます。
  5. 税制面での優遇や補助金を受けれない:インターは私立校と分類される為、国立や公立の学校のように国からの補助金は出ません。ですので保護者がすべて費用を負担しなければならず、総合的な費用では学費以外に入学金、施設利用料、教材費やスクールバス代など費用がかかります。

日本国内での進学は?インター校の国際基準 ACSI, CIS, WACSとは?

インターは文部科学省の認可で作られた学校ではないので、一部の学校を除けば日本の大学受験資格は認められません。そのため、欧米の学校評価機関の認可を受けた学校だけに大学入学資格を認めています。

国内にあるインターナショナルスクールで学校として十分に経営できると国際的に評価された学校はいずれかに所属しています。ACSI, CIS, WACSの認定校では大学入学資格を認められます。

詳細はこちら

学校認定と国内進学について:教育就労義務

日本国内では「学校教育法」の第一条に定められた学校のみが義務教育や大学受験資格を満たす学校(一条校)で、インターは学校教育法第134条の「各種学校」か無許可のものが少なからず存在するため、残念ながら不就学児童生徒として扱われます。法律的には法律的には一条校として認められていないインターに就学させても就学義務を履行したことになりません。

ですので、一条校ではないインターから一条校や公立学校への入学・編入を希望しても認められない場合が多いです。幸いながら、帰国子女入試でインター卒業生を受け入れている中学や高校が多くあります。一部例としては、渋谷教育学園渋谷中学校、渋谷教育学園幕張中学校、広尾学園中学校(インター生は要相談)、同志社国際中学校、立命館宇治中学校、開智日本橋学園中学校があります。

近年ではインターの高校卒業生が日本国内の一部の大学受験資格が認められる私立大学(早稲田大学、慶應大学、国際基督教大学、立命館アジア太平洋大学等)や東大・京大といった国立トップ大学ではバカロレア入試を取り入れているところもあります。

アメリカンスクールのカリキュラム特徴

アメリカでの義務教育はキンダー(幼稚園年長)から高校卒業時(12年生)までですが具体的な年数は州によって変わります。一般的に義務教育はK−12と呼ばれ、Kindergardenが1年間、小学校が5年間、中学が3年、高校が4年間あります。義務教育は4歳から5歳から始まることが多いですが、学校によってルールが異なり5歳で早生まれでも1年生になってしまうというケースもあります。

アメリカ式のインターはアメリカ国内のカリキュラムに沿って授業が行われている場合が多いため、新学年や卒業時期、休暇期間等も同じです。

画像引用元:Lighthouse ロサンゼルス

新年度の開始日程は学校によりますが、新しい学年は8月に始まり、5月もしくは6月ごろに終わります。ですので、卒業式も5月もしくは6月に行われることが多いです。また、休みが比較的多く、春休み、夏休み、秋休み、冬休みがあり、特に夏休みは2か月ほど設けているところが多いです。夏休み期間中はサマープログラムに参加している学生も多く、長期期間中はスポーツや勉学に励みます。

一般的なアメリカ式のインターでは独自のカリキュラムを設定していますが、アメリカのCommon Coreを元にカリキュラムを作っています。Common Coreとは多くの州で取り入れられているKindergarden(幼稚園年長)から12年生(高校3年生)において、日本の学習指導要領にあたる全米統一の国語と算数・数学における学力基準が設けられます。

小学校、中学校、高校の紹介:科目、外国語、部活動

小中高の科目及び小学校の説明:

小中高では一般的に5科目ほどを学びますが、主に中学や高校では追加で、学校で異なるものの選択科目を選ぶことができます。日本と変わらず、小中高は主要5科目(国語、算数・数学、外国語、歴史・地理、や科学)を学ぶことができ、学校により教科ごとの学力を測るために年に一度が行われる場合もあります。各学年で各学年で生徒が何をでき、理解しなければいけない基準を示し、学校側はCommon Coreを元にカリキュラム設定を行います。

小学校では主に学びと遊びを取り入れている学校が多く、文字や数に触れたり授業に取り組みます。さまざまな学年で芸術や音楽の授業を取り入れており、放課後に部活動がある学校が多くあります。中学・高校でも似たような教育システムですが主要5科目の他に学校により選択科目を選ぶことができます。例えばAmerican School in Japan (ASIJ)では選択授業として映像制作、デザインテクノロジー、経済やお金に学ぶ授業を受けることができます。

外国語の授業:

また、小学校もしくは中学校から外国語の授業が始まります。主に学校での授業が英語で行われているため、外国語として英語以外の言語を学ぶことができます。日本国内の多くのインターでは日本語やスペイン語、中国語の外国語学習に力を入れています。初級、中級、上級などのレベル分けを行っている学校もあるため自分の語学レベルにあった授業を受けることができます。

中学校から部活動が本格化:

中学校からは放課後の部活動が本格化し、アメリカ現地の学校と同じく3学期(秋、冬、春のシーズン)ごとに多種多様なスポーツ、文化系の部活動に参加できます。American School in Japan (ASIJ)を例とすると、秋楽器は男子と女子バレーボール部、男女共同サッカー部、冬は水泳部、女子サッカー部、春はテニス部、女子バスケ部、空手や剣道を学べます。また、美術や演劇、模擬国連、映画作成部、ロボット工学部にも入ることができます。

高校:

高校も中学と似たようなカリキュラムを取り入れているため主要5科目の他に卒業条件として芸術、体育、外国語を取る必要があります。特に数学、社会・歴史、科学の授業は学力テストや成績により授業を選ぶことができます。例えば、International School of the Sacred HeartではGrade 11、Grade 12の数学はレベル別に6科目から選ぶことができ、化学に関しては最初の2年は生物、化学、物理のいずれかを選択でき、Grade 11, Grade 12ではより高度なレベルの生物、化学、物理や環境科学環境科学を学べます。歴史に関しては高学年では世界史、ヨーロッパ史、国際関係やミクロ・マイクロ経済の授業を受けることができます。

また、大学進学を視野に入れている場合は学校の大学進学専門カウンセラーに相談することができ、志望校選びや出願エッセイの書き方、奨学金や推薦状等の情報を得ることができます。

AP 試験:大学の単位が取れ、大学受験で有利になれる!

画像引用元:Wikipedia      

AP試験とはAdvanced Placementの略称で、科目別に学べる大学の一般教養(大学1年、2年生レベル)の内容を学べるカリキュラムと試験のことで早期履修プログラムです。合計38コースを受けることができます。多くの学校では通常15〜20コース受けることができ、優秀な学生は5コース以上でAP試験と授業の成績で優秀な結果を残しています。

AP試験及び授業は高校の卒業資格の代わりではなく、AP試験を受けなければ大学の単位として認定されません。試験を受けなくても、授業を受けることができますが、AP試験を受けていないため大学の単位として認定されません。また授業を受けなくても、試験だけ受けることもできます。

AP試験は通常5月の初めに受け、1年間で学んだ内容を4択問題、記述問題、エッセイ等を試験で試されます。AP試験中でも学校はあるため、学校の授業や課題と試験勉強の両立が鍵になります。試験の成績は1(最低点数)から5(最高点数)で多くの大学では3以上の成績を取ると単位として認定されます。各科目で勉強時間や5を取る難易度が異なります。また、最高得点の5を取る=試験で満点近くを取る必要がある、のではなく、多くの科目ではおおよそ7割以上取れていれば5が取れるとも言われています。各AP試験の1から5の点数配分は試験を実施しているCollege Boardの公式サイト(英語)に書いてあります。

AP試験メリット

AP科目と試験を受ける大きなメリットは大学入学後に高いレベルの授業を受け、試験点数により大学の単位として認定されるため早期に卒業することも可能です。特に海外の大学は1単位ごとの学費が高いので、試験費用(1コース127ドル)と比べるとだいぶコストを抑えながら単位をもらえます。特に留学生向けの奨学金が非常に少なく公立・州立大学では現地の生徒と比べ学費が何倍も高いので、かなり学費面を抑えることができます。また、単位を認定されたら他の授業を受けることができるので、代わりにより難易度の高い授業や希望する専攻とは関係ないけど面白そうな授業を受けれます。

アメリカのインターではなく現地の学校を卒業した知人は高校在学中にAP試験・授業を5コース受け、中国語は3そのほかは全て5を取ることで大学入学後におおよそ2学期に相当する25単位を得ることができました。また別の知人も同じようにAPコースを5つ以上受け全て5を取ったことで大学を2年で卒業し、修士課程を早期から始めることができました。

AP試験は科目ごとに試験があるので得意科目・興味のある科目だけを受けることができます。希望する専攻の大学1年・2年生レベルの授業を早期から受けることでより深く科目について学べたり、将来的に大学についていくのに必要な勉強量がわかります。

認定基準や評価は各大学によります。

APデメリット

日本国内ではAP試験を受けられる一般試験会場がほぼありません。ほとんどの会場ではインターの内部生しか受けることができないため、外部の生徒が試験を受けるのは非常に困難です。ですので、特にアメリカの大学やアメリカのカリキュラムに惹かれた方はできるだけ早くAP授業・試験が受けられるアメリカン・スクールに入ることをお勧めします。

またデメリットの一つはAP試験及び授業は高校の卒業資格の代わりではないことです。高校卒業資格の代わりにはならないので、ちゃんと高校に在籍し卒業に必要な単位を取る必要があります。

AP試験を受けなければ大学の単位として認定されません。もう一つのデメリットはすべての大学が単位を認定するとは限らないので、受験時にどの大学がAP試験の単位を受け入れるか調べる必要があります。当然ながらAP試験の内容・授業は通常なら大学1年・2年生が受ける授業ですので、普通の授業より難易度が格段に難しくなります。AP試験自体はすべて英語で出題されるので、記述問題・4択問題等を解くのに一定の英語力も必要になります。

アメリカ式インター:メリット・デメリット

メリット デメリット
カリキュラムの多様性・柔軟性 高額な学費
国際的な環境で英語力(アカデミック英語)が身に付く 国内の学校に進学・転校する場合は進路が限られる

メリット1:カリキュラムの多様性・柔軟性

アメリカのカリキュラムはCommon Coreを元に基本的な学年ごとの英語、数学の学習内容がある程度決まっていますが、教え方や英語・数学以外の科目では好きなようにカリキュラムを設定できる場合が多いです。一例として、American School in Japanでは小学校3年の科学の授業では気象や生命科学、社会では子供の人権や社会の一員として世界に貢献できることを学びます。小学校4年性の音楽の授業ではドラム、ギター、ウクレレや作曲についても学ぶことができます。特に中学校と高校では選択科目も増え生徒は自分の興味や関心にあった授業を追加で受けることができます。

メリット2:国際的な環境で英語力が身に付く

一般的な日本の学校と比べると、アメリカ式インターの多くは生徒が二重国籍を含む、アメリカ国籍を持っています。日本以外で生まれ育ち教育を受けてきた生徒が多いので国際的な環境に身を置くことができます。また当然ながら授業・課外活動等はすべて英語で習うため、英語で5教科を学びます。ですので日常会話に必要な英語以上に、エッセイの書き方や討論の仕方など将来的に英語圏での海外進学をする為に必要不可欠となるアカデミック英語(学術的な英語)を学ぶことができます。

デメリット1:高額な学費

インターの学費は高い!の箇所で紹介しましたが、少人数制で独自のカリキュラムと優れた教職員・生徒を集め私立として運営しているために学費は高額です。学費が年間200万近く必要なインターも少なくなく、国際認定されている学校はより学費が高くなる傾向にあります。

デメリット2:国内の学校に進学・転校時は進路が限られる

アメリカ式インターとその他の外国カリキュラムを取り入れているインターは法律的には国内で一般的な学校として認められていません。一条校とは学校教育法第一条に規定する学校のことを示し、私立・国公立の学校でも国が認められている日本の普通の学校のことを意味します。ですが、インターは文部科学省の学習指導要領とは異なる教育を行っているために、「一条校」としてカウントされず、それ故にインターから国内の一条校に進学・編入する場合は非常に難しいです。また、近年では帰国子女枠を設けている学校でも帰国子女入試の出願資格に国内インターは含まれていないケースもあるため、志望校の募集要項をご覧になり、必要あれば学校側にご連絡ください。

長い夏休みは何する?

多くのアメリカ式インターでは夏休みが2ヶ月から3ヶ月と非常に長いです。小学校のうちから一人で日本国内、アメリカや他の国のサマースクール(イギリス、スイス等)へ留学に行くこともできます。プログラム内容は学年や目的にもよりますが、留学先で英語や学校教科を深く学んだり、専門的にスポーツや芸術等の指導を受けることができます。単身留学で空港からのスタッフつきの送り迎えや安全性に配慮したプログラムが多いので、安心して留学させることができます。また日本国内の方がコスト的に良いという方には、日本国内のインター・ボーディングスクールが開催しているサマースクールもご覧になると良いでしょう。違う学校や地域の生徒と英語で一緒にプログラムを受けることができます。

中学や高校ではサマースクールの他に、大学進学等を見据えた探求学習を取り入れたプログラムがあります。特に夏の間は名門大学のキャンパス(イェール、オックスフォード、ハーバード、バークレー)などでアカデミックな授業を受けることができます。一例として、オックスフォードでは哲学、ライティング、医学、法律、ビジネスなど40コース以上の授業を受けることができます。大学により出願プロセスがあり難易度の高いサマープログラムもありますが、その分大学で特定の専門分野を学んでいる教授や優秀な同年代の子と一緒に授業を受けることで、大学進学時に必要な推薦状や興味のある分野を深く学べます。また、アメリカやイギリス・日本国内の著名なボーディングスクール(中高生向け)でもサマープログラムを開催していることが多く、芸術や英語学習、コーディング、ディベートのサマープログラムにも参加できます。

アメリカ式インターへの編入

インターへ編入希望の方は第一に志望する学校の編入試験情報について調べると良いでしょう。ネットの掲示板やTwitter等を活用して情報を得るのが大事になってきます。また、日本人の学生には入学条件がある場合が多いので、各学年に在籍する日本人学生数やクラスの空き具合によります。多くのアメリカ式を含む多くのインターでは入試時に提出する書類の選考とスクリーニングがあります。日本の学校のように一般入試を設けている学校もありますが、ない場合は何かしら標準テスト評価の提出が必要です(IGCSE, MAP Test,SSATなど)。

筆記試験及び標準テストでは英語(リーディング・ライティング)や算数・数学の2科目で試されますが、提出書類の一部として推薦状や通っている学校の成績表等を送る必要があるので、学校の勉強も疎かにできません。また編入する学年により生徒の書いたエッセイ(英語)を出願時に提出する学校もあります。

書類の種類 必要な提出物
標準テスト評価 IGCSE, MAP, Test, SSAT など
筆記試験及び標準テスト 英語(リーディング・ライティング)、算数・数学
提出書類 推薦状、学校の成績表など
エッセイ(英語) 編入する学年によって要求される場合がある

英語力が同年代と比べ低くても、例えば、American School in Japan (ASIJ)ではGrade 1からGrade 8まで英語を第二言語として学ぶ(ELL: English Language Learners)プログラムがありますが、Grade 8の学年末までにはアカデミック英語を全ての分野でネイティブレベルの能力まで上げる必要があります。

また、追加条件として学校側との保護者には英語で日常会話できるほどの英語力が求められる場合が多いです。理由としては、英語しか話せない教職員が多く、学校からの必要連絡事項等全て英語になるため、保護者は英語で意思の疎通が必要不可欠となります。

英検と授業でついていくための英語力(アカデミック英語)は異なる場合があり、英検1級や準一級に合格するための英語力に比べると、さらに高度な英語力が求められます。インターや英語圏の現地校は英語を母国語とする生徒と同様に学習内容についていけることが必要となります。特に読解に関しては英検よりインターの授業等で取り扱うリーディングの課題の方が抽象的で難しい場合が多いので、英検をお持ちの方はあくまで目安としてお考えください。

アメリカンスクールから海外進学する場合アメリカの大学受験!進学方法は複数ある

進学方法 英語力
1.コミュニティカレッジ(短期大学)に入る方法 英語力が低くても入学できる(場合によってはCEFR B1でも可能)
2.コミュニティカレッジから4年制大学に編入する方法 英語力が低くても入学できるが、4年制大学に向けて英語力を高める必要がある。編入時に成績もトップでないといけないため、英語力以外に履修した全科目で優秀な成績を収める必要がある。
3.4年制大学にそのまま進学する方法 少なくともCEFR C1もしくはC2。一般的にTOEFL100点以上(一部では110点以上)が求められます。

この表は、進学方法と英語力の関係を示しています。各進学方法において、どのような英語力が必要かが示されています。なお、英語力のレベルはCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)の基準に基づいています。

大学受験:日本とアメリカの違い:

第一にアメリカは日本と違い全国一斉の入学試験や大学の個別学力試験もありません。そのため、受験者全員同じ試験を受けて合格スコアを数値化することができないため、「大学の偏差値」と言う概念はありません。大学の難易度を測る別の方法としては合格率や大学の公式サイトに載っている合格者のGPA等データを参考にできます。

全米の学力試験(SAT、IB等)を提出する場合もありますが、2020年以降では学力試験の点数を求めることを廃止、もしくは合否の判断に影響しない学校も増えてきています。ですので、日本のように一般受験時の合計点数で入学が決まるのではなく、学校の成績、エッセイ(共通と大学別)、履歴書・課外活動、推薦状や面接で決まります。日本で近年人気になっている総合型選抜入試(AO入試)に近いですが、より過酷です。アイビーリーグやそれに準ずる有名大学の合格率は一桁になることが多く、よく大学Aには受かったのに大学Bには受からなかったり、合格率が低い大学には入れてたのに高い大学に入れなかったというのはよく聞く話です。

日本の小論文とは違い、試験会場で一定時間内に書くのではなく自宅で時間をかけながら何度も修正することで質の高いエッセイを書くことができます。共通エッセイで出される7つのお題の内、1つを選び自分の体験談をもとに学んだことや、興味のある分野について書けます。大学個別のエッセイも同じく、試験会場で書くのではなく、各大学の定める提出期限までにネット経由で出願が可能です。

また、コロナ禍以降SATやACTと言った共通学力試験の提出を求めない、もしくは試験結果の提出を義務ではなく任意とする大学が増えてきています。共通学力テストの出願に関してよく見るTest optional、Test blind、Test flexibleの違いについて説明します。

Test Optional SATなどの学力テストを提出するのは義務ではなく、任意になります。たとえ試験結果を提出しなくても、合否審査の際に不利になることはありません。試験結果を大学に送らない場合はテストスコア抜きでの審査になります。ですが良い点数(SATでは一般的に1500点以上)をとった場合は考慮はされるものの有利にも不利にもなりません。日本とは異なり、テスト結果だけで合否は決まりません。
Test Blind 学力テストの点数を全く考慮しない大学のアドミッション方式です。代わりにその他の要素を全て見られるため、学校での成績や授業の難易度、出願ようエッセイ、推薦状や課外活動、面接が重視されます。
Test Flexible SATやACT以外の学力試験の提出が可能です。例えば、SATの点数は悪くても、IBの成績やAP試験の成績が良ければ代わりに提出することができます。代わりとなる提出可能となる試験は大学により異なります。
例えば、ニューヨーク大学ではいずれかの試験結果を提出する必要があります:SAT、ACT、AP試験3つ、IBの予測もしくは最終スコア、また日本の共通テストも提出できます。※ACT(American College Test)

受験自体は全てオンライン:

受験自体はすべてオンラインで提出することができます。一般的にはCommon Application(通称Common App)と呼ばれるサイトで必要な大学共通・大学ごとのエッセイ、課外活動の説明、個人情報など記入後に受験校を検索、追加することができます。ですが、Georgetown University やMassachusetts Institute of Technology など一部の大学はCommon Application経由ではなく公式サイトからしか出願することができません。

受験校に関しては、日本とは違い何校でも受けることができます。費用は一校につき30ドル〜90ドルほどかかります。また経済的な理由で受験費用を払えない場合は、Common App fee waiver(費用免除)を大学側に申請することができます。大学により学力試験(SAT,IB等)のテストが低くても、エッセイで自分のユニークさを示す入れる可能性は十分あるので、難関大学でも諦めずに挑戦することをお勧めします。

大学共通のエッセイでは毎年公開される7つのお題から一つを選び最大650 word (1単語=1 word)で自分の経験を交えて書く必要があります。例えば、過去の挫折、失敗、挑戦に直面した時どのように影響され学びについて書いたり、信念や考え方に疑問を抱いき挑戦した時はなぜそう言う状況になり結果など、テストの点数だけには囚われない自分だけの物語を書けます。

大学個別のエッセイでは、各大学が受験者向けにいくつかエッセイのお題を出しているので、文字数以内にお題への自分なりの答えを書きます。受験校が多くなると、大学個別に書くエッセイも多くなりますがいくつか書いたエッセイを少し調整しながら使いまわすことができます。自分の趣味、過去の出来事、将来やりたいことなど自分がどんな人か大学側に知ってもらうのが目的ですので、過去の実績や尊敬する人物について書くのを避けた方が良いでしょう。

大学個別のエッセイで頻繁に出されるお題
①大学の志望理由
②特に自分に影響のあった課外活動
③興味があり楽しめた活動
④大学のコミュニティへの貢献や自分のアイデンティティ

受験校の選び方

アメリカには4000以上の大学があるため、大学を選ぶのに迷われる方も多いと思います。アメリカと言っても、地域や州により人の気質、天候、アクセスの良さなどがあります。また、日本の大学と異なり規模(生徒数)が異なります。いくつか志望校を選ぶ際の目安を一部ご紹介します

  1. 大学の種類:(男女別の大学あり)
◆私立大学一般的には州立より私立大学の方が質が高いと言われています。アイビーリーグと呼ばれる名門大学8校はどれも私立大学です。私立大学は「私立総合大学」と「リベラルアーツ・カレッジ」のに種類に分けることができます
①私立総合大学メディカルスクール(医科大学院)、ロースクール(法科大学院)などの専門性の高い大学院課程を設けています。アイビーリーグも私立大学のところが多く、最先端の技術・研究を持ち人材を育成しています。中規模〜大規模の大学が多く、学生数は5000から1万人ほどです。
②リベラルアーツ・カレッジリベラルアーツ教育は近年日本でも人気になっていますが、一般的には大学で専攻以外でも幅広い分野を学び人間としての総合力を高め教育です。学生数はとても少人数で生徒数は3000人を超えることは滅多にありません。少人数教育を取り入れているため、1クラスの人数も20人程度で教授との距離が近いのが特徴です。
◆州立大学州民のための大学であり、州の税金で運営されているため学費や入学審査では州民が優先されやすく留学生や州外の生徒が入りにくい現状です。また、留学生や州外の生徒は州民が支払う学費の3倍ほどかかります。入学難易度が高くない大学もありますが、一方でUCLA (University of California Los Angeles)やUC Berkeley (University of California Berkeley)などのカリフォルニア大学も含まれます。最先端の研究や大学院課程の人材、質共に高い大学もあります。一般的には「University of 州名」と呼ばれている大学がもっとも州でレベルの高い大学にあたります。他にも、「州名 State University」や「University of 町の名前」などがあります。また、生徒数は学部で3万人越え、大学院に在学している学生を含めると5万人近くが同じキャンパスで学んでいることもあります。
◆公立大学(2年制)コミュニティ・カレッジ(通称コミカレ)と呼ばれ地域のための2年制度の大学です。卒業後に4年制の名門大学に編入することもできます。2年制→4年制の大学で近年日本人学生の間で人気になっているのは、カリフォルニア州内のコミュカレに進学し、3年次編入と言う形で卒業後にUCLAやUC Berkeleyなどの難関大学に進むことです。4年制の大学と比べると非常に大学の費用を抑えることができ、英語を含め興味ある分野を基礎から学べ、一定の英語力さえあれば高校の成績や推薦状等などは必要ないため働きながら学べる教育機関です。そのため、コミュカレには多種多様な年齢やバックグランドを持った生徒が集まるのが魅力の一つとも言えます。
◆芸術・音楽専門学校米国内には世界でトップレベルの音楽、デザインや芸術・ファッション等を専門的に学べる学校があります。学校により入学に必要な書類が異なります。エッセイや成績表、ポートフォリオ、推薦状等を求める学校も多くあります。
①音楽学校音楽学校ではBerklee College of Music, The Julliard SchoolやThe San Francisco Conservatory of Music などが人気です。
②ファッションファッションではFashion Institute of Technology, Parsons Schol of Design, Antoinette Westphal College of Media Arts & Design
③デザインや美術系デザインや美術系ではRhode Island School of Design, Pratt Instittue, California Institute of the Arts, New York School of Interior Design
  1. 専攻

心理学やビジネスなどの人気の専攻は多くの大学で学べますが、各専攻の詳細は大学の公式サイトでご覧になることをお勧めします。専攻プログラムの一環として卒業までに義務のインターンシップやボランティアをしないといけない大学や、学んだ知識を応用できるインターンシップ等はなく、理論上の抽象的な概念しか学ばないこともあります。また、専攻関連の研究に興味があるのでしたら、研究する上での環境(教授やサポート面)も重要です。

  1. 大学の規模

在学生徒数により教授との距離、受けられる科目数・専門学科の種類、図書館や就職活動のネットワーク、他の生徒との距離や課外活動の規模がわかります。自分の学びたい分野やどのような学生生活を送りたいかで大学の規模を選ぶと良いでしょう

  1. 地域

アメリカは西部、中西部、南部、東部に大まかに別れることができ、とで同じ国とは思えないほどに天候や人の気質、歴史的成り立ちなどが異なります。一般的に教育レベルが高いのはマサチューセッツ州のボストンを中心とする北部から北北部のニューイングランド地方ですが、西海岸にあるカリフォルニア州、オレゴン州やワシントン州も教育レベルが高いとされています。

  1. 立地

アメリカの大学は大都会の中にある大学(ニューヨーク大学など)もあれば、田舎の自然豊かなところにある大学などがあります。遠出する際は車の免許が必要な場所もあります。都会ではアルバイトや就職活動がしやすかったり、外食やお出かけ先の選択肢に困りません。一方郊外の大学ではキャンパスが広々としており、自然豊かで勉強に集中できる環境があります。

  1. カリキュラム

一般教養課程と専門課程のに種類に分けられます。専攻を決めずにさまざまな分野について深く広く学びたいのなら一般教養課程、他の分野より専攻の分野を深く時間をかけて学びたいのなら専門課程を卒業要件として重視している大学を選びましょう。大学では専攻を決めなくても入れる大学はありますが、特に最近人気の高いComputer Scienceやビジネスは入学後に専攻に入れない、なんてこともあります。入学後の専攻への入りやすさや、専攻を変える・二重専攻(2つの分野を専攻する)の場合は大学ごとの要件を確認しましょう。

  1. 費用

一般的には私立大学の方が州立大学より年間の学費を含め、寮費やその他の必要経費が高い傾向があります。また、寮生活を義務付けている大学もあるので留学生向けの奨学金の有無や費用を考慮しながら自分に合った大学を選ぶのが良いでしょう。

志望大学への奨学金申請:Need BlindとNeed Aware

アメリカの大学受験において、ファイナンシャルエイド(奨学金の総称)とは学費負担を軽減するための金銭的支援プログラムのことを意味します。特に近年、学費高騰を理由に授業の支払い能力が低い家庭も多くあると思います。大学が合否決定にあたって、家庭の学費支払い能力を考慮するかしかないか、大きく2つの種類に分けられます。

奨学金の申請種類説明
Need Blind合否と家庭の経済状況や学費の支払い能力は一切関係ない。学費の不足分の一部又は全額を学費が負担します。
Need Aware合否において、家庭の経済状況が考慮される。そのため、大学に奨学金を申請した場合は受験時に不利になる

いつ出願する?アメリカ大学入試の3つの出願方法

アメリカの4年制大学出願では一般的に3つの種類があり、早期出願できるEarly ActionやEarly Decision、通常出願のRegular Decisionで出願や合否時期、メリットデメリットが異なります。

個人的には第一志望の学校をEarly Decisionで出願し、可能であれば第2志望以下の上位の学校をEarly Action、滑り止めやその他の学校をRegular Decisionで受けることをお勧めします。

種類出願の締め切り合否発表特徴+注意点
Early Action(通称EA)9月〜12月上旬11月〜12月受験校で生きたい学校の上位校を受ける時におすすめ。受かっても入学義務がないため、早く受験結果がわかる。
Early Decision(通称ED)9月〜12月上旬11月〜12月本当に行きたい第一志望の学校向けです。ED出願した場合は通常時期の出願と比べ合格率が上がることも。
基本的に一校しかEDで受けることができず、受かればその学校に入学しなければいけません。合格したら他の大学への出願をすべて取り消す必要があります。
Regular Decision(通称RD)1月〜3月3月〜4月一般的にどの学校も出願可能で、滑り止め受験などでも活用できます。

NisaiのA-Level:アメリカの進学にも対応可能

Nisaiはケンブリッジ大学国際教育機構から認められた完全オンラインのインターナショナルスクールなので、全世界どこでも授業を受ける事ができます。その中でもケンブリッジのAS Levels とA Levelsは高等学校の2年間で科目別に受験できる国際資格です。

現在は日本国内の公立や私立学校に籍をおいたままホームスクールという形でNisaiに通う生徒様も増えていて、授業時間は日本時間の夕方からなので、柔軟に授業を受ける事ができるのも魅力の一つです。

Nisaiでは海外進学に向けての英語力を向上させ、国際資格A-Levelsを取る事でアメリカの大学にも進学可能です。A-Level(Aレベル)プログラムは大学教育を受ける高校生(16歳〜19歳)を対象とした2年間のプログラムで、前半の1年間のAS Levelsプログラム、及び後半の合計2年間の受講後に5科目のうち3−4科目の点数を大学受験時に提出します。

A-Level 高校生向けコースについてはこちらをご覧ください

学校説明会についてはこちらからお申し込みをお願いいたします。

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