- 小学生
- 2026.10.13
低学年の帰国子女が英語を保持するには?忘れやすい3つの理由と対策

本ページでは以下のことがわかります。
低学年の帰国子女の英語は、使わない期間が続くと落ちやすい一方、絵本や歌、短いレッスンなど年齢に合った形で使い続ければ保ちやすくなります。落ちやすい理由と、今日から始められる保ち方を紹介します。
・低学年で帰国した子の英語が落ちやすいと言われる、研究上の根拠
・読み書きの力、学校の授業、日本語の環境という、英語を忘れやすい3つの理由
・読み聞かせや歌・動画、フォニックスなど家庭でできる英語の保ち方
・英語で話す場や、短い時間から受けられるオンラインのレッスンの選び方
・今日から1週間で始められる英語保持の行動プランと、失敗しないための注意点
低学年の帰国子女は、英語を忘れやすい?まず知ってほしいこと

「小1で帰国した子が、英語を急に話さなくなった」「6歳で帰国すると、英語をすぐ忘れるって本当?」と心配する保護者は少なくありません。結論から言うと、低学年の英語は使わないと落ちやすい一方で、年齢に合った方法で使い続ければ保ちやすくなります。まずは研究で分かっていることと、知っておきたい前提を整理しましょう。
低学年の英語は、使わない期間が続くと落ちやすい

低学年で帰国した子の英語は、使わない期間が続くと落ちやすい傾向があります。参考になるのが、帰国子女の英語の変化を扱った東京大学の研究論文(友田,2007)です。そこで紹介されている海外の研究では、5歳から8歳の帰国子女は、時間がたつほど英語の後退が目立ったとされています。
一方、日本の帰国子女を調べた研究では、8歳以上で帰国し、海外で2年を超えて読み書きを身につけた子は、英語を母語とする子に近い話す力を保っていたと報告されています。年齢が低いほど、帰国後の過ごし方が英語に響きやすいと考えておきましょう。
帰国後に急に英語を話さなくなるのは、珍しいことではない

小1で帰国した子が、半年ほどで英語を話さなくなるのは珍しいことではありません。日本の学校で友達と遊び、日本語で授業を受けるうちに、子どもにとっては日本語で話すほうが楽になっていくからです。英語で話しかけても日本語で返してくる、英語の歌を歌わなくなるといった変化は、帰国後の家庭でよく見られます。
これは英語の力が消えたというより、英語を使う場面が減ったサイン。そう受け止めてよいでしょう。話さなくなった時期にも、英語を聞く機会や読む機会まで止めないことが、英語を保つ分かれ目になります。
年齢に合った方法で使い続ければ、英語は保ちやすくなる

低学年の英語は、年齢に合った方法で使い続けることで保ちやすくなります。この時期の子は、ドリルや文法の説明よりも、絵本や歌、遊びの中で英語にふれるほうが続きやすいからです。たとえば、寝る前の英語の読み聞かせや、好きなアニメを英語で見る時間。これなら子どもの負担になりにくいでしょう。
楽しいと感じる時間であれば、親が促さなくても、子どもから英語にふれるようになることもあります。あわせて英語で話す相手がいる場を持てると、聞いて分かる力だけでなく、話す力も保ちやすくなります。具体的な方法は、このあとの解決策の章で詳しく見ていきましょう。
低学年の帰国子女の保護者によくある英語の不安

低学年で帰国した子の保護者からは、英語について似た悩みがよく聞かれます。ここでは代表的な4つの不安を取り上げ、それぞれの受け止め方を整理します。自分の家庭に近いものから読んでみてください。
帰国して半年で、英語を話したがらなくなった

帰国して半年ほどで、子どもが英語を話したがらなくなったという悩みは、よく聞かれるものです。英語で話しかけると日本語で返してくる場合、英語を聞いて理解する力はまだ残っていることが多いでしょう。学校生活に慣れることで手一杯になり、英語を話す余裕がなくなっている時期とも考えられます。
ここで「どうして英語で答えないの」と責めると、英語そのものを避けるきっかけになりかねません。まずは英語の絵本や動画など、聞くだけで楽しめる時間を残すことから始め、英語で返してくれたときは、短い言葉でも喜んで受け止めてあげてください。
英語の本を読まなくなり、日本語ばかり使うようになった

帰国してから英語の本を開かなくなり、家でも日本語ばかり使うようになったという家庭もあります。海外では学校の時間のほとんどを英語で過ごしていたのに、帰国後は学校も家庭も日本語になるため、英語にふれる時間が急に減るからです。
日本語の本が読めるようになるのは、日本の学校生活を送るうえで大切な成長でもあります。英語の本を読まなくなったこと自体を、心配しすぎる必要はありません。英語の本を読まなくなったときは、日本語を減らすのではなく、英語の本を手に取りやすい場所に置く、親が一緒に読むといった工夫から始めてみましょう。
英語を続けさせたいが、何をすればいいか分からない

英語を続けさせたいと思っても、何から始めればよいか分からず、時間だけが過ぎてしまうことがあります。低学年の英語保持は、家庭でできることと外部の場の組み合わせ。そう考えると整理しやすくなります。
家庭では読み聞かせや英語の歌、動画などで英語を聞く時間をつくり、外部では英語で話す相手がいる場を用意するのが基本です。どちらか一方だと、聞く力は残っても話す力が落ちる、話す場はあっても読む力が育たないといった偏りが出やすくなります。具体的な方法は、このあとの解決策の章をご覧ください。
家庭でできる英語の保ち方は、こちらの記事でも紹介しています。
嫌がる子どもに、無理に英語をさせていいのか迷う

英語を嫌がる子どもに、無理に続けさせてよいのか迷う保護者も少なくありません。低学年のうちは、嫌がる気持ちを押し切って英語をさせると、英語そのものを嫌いになってしまうおそれがあります。
嫌がる理由は、学校の疲れ、英語を話すのが恥ずかしい、内容が難しいなど、子どもによってさまざまです。理由を聞いたうえで、英語の時間を短くする、好きな題材に変えるなど、続けやすい形に整えるのがおすすめです。英語を「やめる」か「続ける」かの二択で考える必要はありません。形を変えて続ける道を探しましょう。
低学年の帰国子女が英語を忘れやすい3つの理由

低学年の子が英語を忘れやすいのには、はっきりした理由があります。ここでは、読み書きの力、学校の授業、日本語の環境という3つの理由に分けて説明します。理由が分かると、家庭や外部の場で何を補えばよいかも見えてくるでしょう。
【理由1】 読み書きの力が育つ前に帰国している

1つ目の理由は、英語の読み書きの力が十分に育つ前に帰国していることです。低学年の子は、英語を文字や文法ではなく、音や場面と結びつけて覚えていることが多くあります。先に紹介した研究でも、8歳以上で帰国し、海外で2年を超えて読み書きを身につけた子が英語を保ちやすかったとされ、年長の子の読み書きの力が英語を保つ要になる可能性が示されています。
音だけで覚えた英語は、聞く機会がなくなると抜けやすいもの。だからこそ、低学年のうちから文字にもふれておくことが大切です。読み書きの力は、帰国後でも家庭や外部の場で少しずつ育てることができます。
【理由2】 小学1・2年生には、学校で英語の授業がない

2つ目の理由は、小学1・2年生には学校で英語の授業がないことです。文部科学省の「幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」では、小学校の中学年で「外国語活動」、高学年で「外国語科」を導入するとされています。
つまり、英語の時間が始まるのは3年生から。1・2年生で帰国すると、学校で英語にふれる時間はほとんどありません。学校によっては独自に英語にふれる時間を設けていることもありますが、海外の学校で英語を使っていたころと比べると、英語の量は大きく減ると考えておきましょう。
【理由3】 日本語の環境に早くなじみ、英語を使う理由がなくなる

3つ目の理由は、低学年の子ほど日本語の環境に早くなじみ、英語を使う理由がなくなることです。低学年の子は新しい環境に順応しやすく、友達と遊ぶうちに日本語がどんどん上達していきます。
それ自体は喜ばしいことです。ただ、学校でも家でも日本語が通じるようになると、英語を使う必要がある場面がなくなります。大人と違い、低学年の子が「将来のために英語を保とう」と考えて、自分から英語を使うのはまだ難しいでしょう。英語を使う理由がある場を、大人が意識して用意することが欠かせません。
低学年の英語を保つために、家庭と外部でできる解決策

ここからは、低学年の帰国子女が英語を保つための具体的な方法を紹介します。家庭で毎日できることと、外部の場を使うことを組み合わせるのがポイントです。子どもの性格や家庭の生活リズムに合うものから取り入れてみてください。
英語の絵本の読み聞かせを、毎日の習慣にする

家庭で最も始めやすいのが、英語の絵本の読み聞かせを毎日の習慣にすることです。寝る前の10分など時間を決めて続けると、子どもにとって英語が生活の一部として残ります。本は、海外で読んでいた本や、今の英語力より少し易しいものを選びましょう。子どもが内容を楽しみやすくなります。
保護者が英語の発音に自信がなくても、音声付きの絵本や読み上げのアプリを使えば心配いりません。慣れてきたら、子どもに1ページずつ読んでもらうと、英語を読む力を保つ練習にもつながります。読み終えたあとに、絵を指さしながら英語で短く話しかけるのもよいでしょう。
海外で親しんだ歌や動画を、英語のまま楽しむ

海外で親しんだ歌や動画を、英語のまま楽しむのも取り入れやすい方法です。現地で見ていたアニメや好きだった歌は、子どもにとって懐かしく、自分から見たくなる題材になります。動画は日本語の吹き替えではなく英語の音声で見せ、字幕を付ける場合も英語にすると、英語を聞く時間を確保しやすくなります。
見終わったあとに「どの場面が好きだった?」と英語で聞いてみてください。聞くだけで終わらず、話すきっかけにもなります。ただし、動画だけでは一方的に聞く時間になりやすいため、ほかの方法と組み合わせましょう。
フォニックスと短い日記で、読み書きの力を育てる

理由1で触れたように、英語の読み書きの力は英語を保つ支えになるため、低学年のうちから少しずつ育てておきたいところです。入り口として取り入れやすいのが、文字と音のつながりを学ぶフォニックスです。フォニックスが身につくと、知らない単語でも音を手がかりに読めるようになり、子どもが自分で英語の本を読む助けになります。
書く練習は、1日1文の英語の日記から始めると負担が少なく済みます。「I played soccer.」のような短い文でかまいません。毎日続けることで、英語で書く習慣が残ります。
Nisaiの発話力(発音力)習得コース「Units of Sound」は、英国のE-learningで音と文字をつなげ、発音とリスニングを鍛えるプログラムです。幼児から受講でき、週1回30分のパーソナルトレーニングに、親子で受ける絵本講座を組み合わせたプランもあります。
▶︎音と文字をつなげて学ぶ「Units of Sound」を見る
自宅でフォニックスを進めるコツは、こちらの記事で紹介しています。
帰国生の仲間や英語の先生と、定期的に話す場をつくる

家庭での読み聞かせや動画だけでは、どうしても英語を話す機会が足りなくなりがちです。英語を話す力を保つには、帰国生の仲間や英語の先生と、定期的に話す場をつくることが大切です。同じように海外から帰ってきた子と英語で話せる場は、「英語を話すのは自分だけではない」という安心感にもつながります。
帰国生向けの英語教室や英語で遊べる集まりを探してみましょう。近くに通える場が見つかることもあります。大切なのは、たまに参加するイベントより、少ない時間でも英語で話す機会を回数を重ねて続けることです。
帰国子女が通う英語の教室や塾を選ぶときの比べ方は、こちらの記事で紹介しています。
短い時間から受けられるオンラインのレッスンを活用する

近くに通える英語の場がない、習い事の送り迎えが難しいという家庭には、オンラインのレッスンも選択肢になります。自宅から受けられるため移動の負担がなく、学校から帰ったあとの短い時間でも続けやすいのが利点です。
低学年の子は、集中できる時間が長くありません。1回30分前後の短いレッスンを選ぶと、無理なく続けやすくなります。選ぶときは、子どもの英語力に合ったクラスで学べるか、英語で話す時間が十分にあるかを確かめておきましょう。帰国子女の場合、年齢ではなく英語力でレベルを選べるかどうかも大切な判断材料です。
Nisaiの「CEFR Englishコース」は、聞く・話す・読む・書くの4技能をCEFRという国際基準に沿って伸ばすオンラインのコースです。受講前のアセスメントテストで英語力を測ってレベル別のクラスに入り、週4回×30分のライブ授業で学びます。年齢や学年ではなく英語力でクラスが決まるため、帰国子女も今の力に合ったレベルで英語を使い続けられます。
月額はA1が26,070円、A2が23,870円、B1〜B2が18,150円で、入学金は33,000円です(2026年9月時点、税込)。最新の金額は「料金」のページで確認してください。なお、3歳から10歳の子には、個別のレッスンで英語の基礎を固める「インターナショナル・プレコース」もあります。
▶︎英語力に合わせて30分から学べるCEFR Englishコースを見る
今日から1週間でできる、低学年の英語保持の行動プラン

英語を保つ方法が分かっても、何から始めるか決めないまま日がたつと、英語にふれない期間が長くなってしまいます。ここでは、今日から1週間で取り組める行動プランを紹介します。7日間で、子どもの今の英語を知り、続けられる形を決めるところまで進めましょう。
【1日目から2日目】 子どもの英語の今の様子を書き出す

最初の2日間は、子どもの英語の今の様子を書き出すことから始めましょう。英語で話しかけたときにどう返すか、英語の絵本を自分で読めるか、英語の動画を楽しめているかなど、聞く・話す・読む・書くの4つに分けて見ると整理しやすくなります。
あわせて、英語を嫌がる様子があるか、どんな題材なら喜ぶかも書き留めておいてください。帰国前の様子を知る家族と一緒に振り返ると、どの力が落ちてきているかに気づきやすくなります。書き出した内容は、このあとの英語力の確認や学び先選びにも役立ちます。
【3日目から4日目】 無料の英語力診断で、今のレベルを確認する

3日目と4日目は、無料の英語力診断を使って、子どもの今の英語のレベルを確認しましょう。家庭での観察だけでは、帰国前と比べてどのくらい力が残っているのか、今どのレベルにいるのかを判断しにくいからです。英語力をCEFRという国際的な基準で示してくれる診断を選ぶと、レベルに合う教材やレッスンを探しやすくなります。
診断の結果は、良い悪いを決めるものではなく、今の位置を知るための目安です。結果が思ったより低くても、落ち込む必要はありません。保てている力と補いたい力を分けて考えると、次の一歩が決めやすくなるでしょう。
Nisaiの無料オンライン英語力診断「アセスメントテスト」も、CEFRで英語力を測り、テスト後すぐに結果を確認できます。申し込み方法は、記事の最後で紹介しています。
【5日目から6日目】 家庭で続けられる英語の時間を決める

5日目と6日目は、家庭で無理なく続けられる英語の時間を決めましょう。「毎日1時間」のように大きな目標を立てるより、「寝る前に絵本を1冊」「夕方の動画は英語で見る」など、今の生活の流れに英語を組み込むほうが続きやすくなります。
曜日ごとに読み聞かせ、動画、日記などを割り振ると、子どもも見通しを持ちやすいでしょう。決めた内容は紙に書いて冷蔵庫などに貼っておくと、家族みんなで共有できます。最初の1か月は、量より続けることが優先です。慣れてきたら少しずつ増やしてください。
【7日目】 体験授業で、子どもが楽しめる学び先を探す

7日目は、体験授業を受けて、子どもが楽しめる学び先を探しましょう。低学年の英語保持では、子どもが「また受けたい」と思えるかどうかが、続くかどうかを大きく左右します。体験授業では、英語で話す時間が十分にあるか、レベルが合っているか、先生が子どもの発言を待ってくれるかを確かめてください。
保護者が良いと思っても、子どもが楽しめていなければ、長く続けるのは難しいもの。いくつか体験してみて、子ども自身に選ばせるのも一つの方法です。体験授業は、保護者が授業の進め方や先生との連絡の取り方を確かめる機会にもなります。
Nisaiの無料体験授業では、海外の先生がすべて英語で進めるライブ授業を体験できます。
体験授業を娘さんが気に入ったことがきっかけで、小学3年生(9歳)でNS1を受講している小林凛華さんの受講者インタビューも参考にしてください。
低学年の英語保持で失敗しないための注意点

英語を保ちたい気持ちが強いほど、つい力が入りすぎてしまうことがあります。ここでは、低学年の英語保持でよくあるつまずきと、その避け方を5つ紹介します。始める前に一度目を通しておくと安心です。
英語を「勉強」にして、子どもに嫌いにさせない

低学年の英語保持で特に避けたいのが、英語を「勉強」にしてしまい、子どもが英語を嫌いになることです。保護者が焦るほど、ドリルや単語テストなど、成果が目に見える方法を選びたくなるものです。しかし、この年齢の子にとって英語が「やらされるもの」になると、英語に関わる時間そのものを避けるようになりかねません。
発音や文法の間違いをその場で直すより、英語で伝えようとしたことをほめるほうが、次も話してみようという気持ちにつながります。楽しい時間として英語を残すことを優先しましょう。
英語の習い事を、帰国直後から詰め込みすぎない

英語を忘れさせたくない一心で、帰国直後から英語の習い事をいくつも詰め込むのは避けたいところです。帰国したばかりの子は、日本の学校のルールや友達づくり、日本語での授業など、新しいことに毎日向き合っています。そこに英語の予定が重なると疲れがたまり、英語も学校も嫌になってしまうことがあります。
最初の数か月は家庭での読み聞かせなど負担の軽いものを中心にし、学校生活が落ち着いてから外部のレッスンを増やすと無理がありません。子どもの表情や体調を見ながら、量を調整しましょう。
日本の学校生活と日本語の学びを、後回しにしない

英語を保つことに力を入れるあまり、日本の学校生活や日本語の学びを後回しにしないことも大切です。低学年は、ひらがなやカタカナ、漢字、音読など、日本語の読み書きの土台をつくる時期。海外で過ごした期間が長い子は、日本語の語彙や読み書きで同級生に追いつくまで時間がかかることもあります。
日本語でつまずくと授業が分からず学校がつらくなり、英語に向き合う余裕もなくなってしまうため、宿題や音読の時間も確保したうえで、英語の時間を組み立てると安心です。英語と日本語のどちらかを選ぶのではなく、両方を少しずつ続ける意識を持ちましょう。
ほかの子と比べて、英語力のことで焦らない

同じように帰国した子と比べて、うちの子は英語が落ちていると焦ってしまう保護者もいるでしょう。しかし、英語の残り方は、海外にいた期間や帰国したときの年齢、現地で読み書きを学んだ期間、性格などによって大きく変わります。
先に紹介した論文でも、観察した低学年の帰国子女のうち2人は、先行研究の予想と違って動詞の使い方の正確さが上がったと報告されており、英語の変化には個人差があることがうかがえます。比べる相手は、ほかの子ではありません。わが子の少し前の姿と比べて、英語にふれる習慣が続いているかどうかを見ていきましょう。
帰国前の英語力を基準にしすぎない

帰国前の英語力を基準にしすぎないことも、英語保持を長く続けるコツです。海外で毎日英語を使っていたころと、日本で暮らす今とでは、英語にふれる量がまったく違うからです。帰国前とまったく同じ状態を目標にすると、少し落ちるたびに保護者も子どもも落ち込んでしまいます。
目標は「帰国前に戻す」ではなく、「今のレベルを確かめ、そこから少しずつ伸ばす」と考えると、気持ちが楽になるでしょう。小さな成長を親子で喜べると、英語を続ける力にもなります。英語力診断の結果などを目安に、半年後や1年後の目標を立ててみましょう。
【まとめ】 低学年の帰国子女の英語は、楽しく使い続ける場があれば保ちやすい

低学年で帰国した子の英語は、読み書きの力が育つ前に帰国していること、小学1・2年生には学校で英語の授業がないこと、日本語の環境に早くなじむことから、使わない期間が続くと落ちやすい傾向があります。帰国後に英語を話さなくなるのは、珍しいことではありません。英語を聞く・読む・話す機会を年齢に合った形で残せば、英語は保ちやすくなります。
家庭では読み聞かせや英語の歌・動画、フォニックスや短い日記を取り入れ、外部では英語で話す相手がいる場を用意しましょう。まずは子どもの今の英語力を確かめ、楽しく続けられる学び先を体験授業で探すところから始めてみてください。
英語の残り方には個人差があります。ほかの子と比べず、わが子のペースで続けていきましょう。
低学年の英語を保ちたいなら、まず今の英語力を無料で確かめてみませんか?
帰国後の英語の残り方は、子どもによって大きく違うものです。Nisaiの無料オンライン英語力診断「アセスメントテスト」は、CEFRという国際基準でお子さまの英語力を測り、テスト後すぐに結果を確認できます。今のレベルが分かれば、家庭で続ける英語の時間や、受けるレッスンのレベルを選びやすくなります。
授業の雰囲気をお子さまと一緒に確かめたい方は 「無料体験授業」
出典
本記事で紹介した研究や制度は、次の資料に基づいています。
- 友田路「外国語保持教室における低学年帰国子女の第二言語喪失:動詞句TLU値分析と退行仮説の観点から」『言語情報科学』第5号(2007年3月)pp.147-164
- 文部科学省「幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」(平成29年改訂の学習指導要領)
| 本記事で示した内容 | 該当ページ |
| 5歳から8歳の帰国子女は、時間がたつほど英語の後退が目立った(論文中で紹介された海外の研究) | 友田(2007)pp.148-150 |
| 8歳以上で帰国し、海外で2年を超えて読み書きを身につけた子は、英語を母語とする子に近い話す力を保っていた(論文中で紹介された研究) | 友田(2007)p.148 |
| 観察した低学年の帰国子女のうち2人は、動詞の使い方の正確さが上がった | 友田(2007)p.147(要旨) |
| 小学校の中学年で「外国語活動」、高学年で「外国語科」を導入する | 文部科学省「改訂のポイント」p.2 |
よくある質問(FAQ)
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低学年で帰国すると、英語はどのくらいで忘れますか?
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英語を忘れるまでの期間は、海外にいた期間や帰国時の年齢、帰国後の英語の使い方によって大きく変わるため、一律には言えません。海外の研究では、5歳から8歳で帰国した子は、時間がたつほど英語の後退が目立ったと報告されています。帰国後すぐに英語にふれる習慣をつくっておくと安心です。
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何歳ごろまで海外にいれば、英語を忘れにくくなりますか?
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何歳まで海外にいれば忘れないという決まった年齢はありません。ただ、日本の帰国子女を調べた研究では、8歳以上で帰国し、海外で2年を超えて読み書きを身につけた子は、英語を保ちやすかったと報告されています。年齢よりも、英語の読み書きの力が育っているかどうかが一つの目安になります。
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小学1・2年生は、学校で英語を習いますか?
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1・2年生には、英語の授業がありません。文部科学省の学習指導要領では、小学校の英語は3・4年生の外国語活動と5・6年生の外国語科で行うためです。学校によって独自に英語にふれる時間を設けている場合もありますが、帰国子女が英語を保つには、家庭や外部での機会づくりが欠かせません。
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低学年の英語保持には、週にどのくらいの時間が必要ですか?
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何時間あれば十分という決まった目安はありません。ただ、週末にまとめて長く取り組むより、1回は短い時間でも、毎日英語にふれるほうが低学年には続けやすい方法です。読み聞かせや動画を毎日の習慣にし、週に数回は英語の先生や友達と話す時間を持てると、聞く力と話す力の両方を保ちやすくなります。
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英語を嫌がる低学年の子に、どう声をかければいいですか?
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「英語で話しなさい」と求めるより、「この絵本、英語で読んでみる?」のように、子どもが選べる声かけがおすすめです。英語で答えなくても責めず、英語で伝えようとしたときにほめるようにしましょう。嫌がる理由を聞き、時間を短くしたり題材を変えたりするのも一つの方法です。
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帰国前にやっておくと、英語を保ちやすくなることはありますか?
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帰国前にできることとして、英語の読み書きの力を少しでも伸ばしておくことと、帰国後に続ける学び先の目星をつけておくことが挙げられます。現地で読んでいた本や好きな動画を日本に持ち帰れるよう準備しておくと、帰国後も英語にふれる時間を途切れさせずに済みます。帰国後に家庭で続ける英語の時間を、帰国前から決めておくのもよいでしょう。
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英語と日本語、どちらを優先すればいいですか?
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低学年のうちは、どちらか一方を優先するのではなく、両方を少しずつ続けることが大切です。日本の学校生活を送るうえで、日本語の読み書きは欠かせません。一方で、英語も使わない期間が続くと落ちやすくなります。日本語の学びを土台にしながら、英語は楽しく続けられる形で残しましょう。
